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クエリ検索: "加藤義昌"
2件中 1-2の結果を表示しています
  • 岩垣 功, 加藤 義昌
    園芸学会雑誌
    1982年 51 巻 3 号 263-269
    発行日: 1982年
    公開日: 2007/07/05
    ジャーナル フリー
    ウンシュウミカン果実の初期生育と果実品質との関係を明らかにすることを目的として, 花の種類 (直花と有葉花), 開花時期, 着花(果)位置などが異なる果実の生長過程を調査した. あわせて砂じょうの発達過程の顕微鏡観察を行った.
    1. 生理落果による落果率は, 直花果で80~90%, 有葉果で約40%であった. 直花果では早期開花の落果率が晩期開花よりも約10%高かったが, 有葉果では差が小さかった.
    2. 果実の横径は, 有葉果の方が直花果よりも常に大きく, 有葉花ではその生長速度も高かった. 晩期開花の果実は生育初期には早期開花の果実より小さかったが, その差はしだいに小さくなった. 晩期開花の果実では開花後40日までの生長速度が高かった.
    3. 子室の内壁に砂じょう突起が現れる時期は, 開花時期の早晩にかかわらず開花日とほぼ一致していた. 子室内が砂じょうで満たされる時期は, 開花時期の早晩にかかわらず6月19日ころであった. 開花後砂じょうが充満するまでに, 早期開花では40日を要したのに対して, 晩期開花では30日しか要さなかった.
    4. 有葉果, 早期開花の果実, 樹冠外周部の果実は, 直花果, 晩期開花の果実, 樹冠内部の果実に比較して大果であり, 着色度が高く, 糖度が高く, 酸含有率が低くて品質が良かった.
    5. 上記の結果から, 7月上旬から8月上旬までのおよそ1か月間に, 摘果しなければ低品質果として収穫されるであろう小果を摘除することによって, 高品質果の割合を増やすことができることが明らかであろう.
  • 新居 直祐
    園芸学会雑誌
    1980年 49 巻 1 号 23-35
    発行日: 1980年
    公開日: 2007/07/05
    ジャーナル フリー
    本報告はウンシュウミカンとハッサク果実の肥大生長を果実横径と果実重 (生体重と乾物重) の相対生長率並びに生長速度の推移から検討し, 更に, 葉と果柄の組織系の分化•発達過程から考察したものである.
    果径と果実重のRGRの推移をみると, 両種とも開花直後のピークを除いて, 開花3週目に極大を示し, その後低下する傾向がみられた.
    果径と果実重の生長速度の変化から, 両種とも果実の肥大曲線は1つのS字曲線を描いた. 果径肥大の生長速度は, 果実発育初期より高く, ウンシュウミカンでは9月中旬ごろまで, ハッサクでは10月上旬ごろまで高い値が続いた. これに対して, 果実重増加の生長速度は,果径肥大より遅れて高まり, ウンシュウミカンでは8月中旬~10月下旬にハッサクでは7月中旬~10月下旬の期間に高かった. 果実の生体重と乾物重め生長速度曲線は両者の間に相違はほとんどみられなかった.
    葉肉の厚さは, 両種とも6月上旬ごろまでにほぼ一定となった. ウンシュウミカン葉のさく状組織, 海綿状組織及び細胞間隙の分化•発達は, それぞれ5月下旬~6月上旬の期間に, ハッサク葉のそれらは5月中旬~6月上旬の期間に発達し, ほぼ完成する傾向がみられた.
    中肋の維管束を木部の発達から観察したが, ウンシュウミカンでは, 5月上旬にすでに維管束の分化がみられ, 5月下旬ごろまで急速に発達し, 6月中旬にはほぼ完成した. ハッサクではその分化•発達がウンシュウミカンより1週間ほど早く, 特に5月中旬ごろまで顕著となり, 6月上旬ごろまでに, ほぼ完成する傾向がみられた.
    果柄の横断面から維管束の分化•発達程度を木部を中心に観察したところ, 両種とも開花約1か月前の5月上旬に, すでに道管の分化がみられ, その後開花4週目ごろまでの発達は著しく, 7月中旬ごろまで続けて発達し, その後9月上旬ごろまでわずかながら生長し続ける傾向がみられた.すなわち, 果実重の生長速度が最大を示す時期までに, 維管束は完成するようであった.
    ハッサク果実はウンシュウミカンより大果となるが, 果柄径も太く, 木部長, 道管径もウンシュウミカン果実の場合より, 大きく発達していた.
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