ポリエチレンをフッ素ガス処理 (処理条件: ガス濃度10%, 10h, 室温) すると耐熱性, 耐酸化性のフッ素化ポリエチレンが作成される. このフッ素化ポリエチレンを部分放電し, 部分放電10時間までカルポニル基が生成せず, 重量の変化もなく, 耐放電性であることを明らかにした。カルボニル基が生成しても30時間放電の量は, 未処理の5時間に相当し, 6倍の放電時間まで耐放電性が改善されていることを見いだした. ESCAにて処理条件と結合エネルギーの関係について調べた. フッ素の結合量は, ガス濃度, 時間, 温度を調整することにより変化し, ポリエチレンの特性を持ったフッ素化ポリエチレンの作成が可能である. 微細ポリエチレンをフッ素処理し, この試料でケーブルなどを作成することにより, 耐放電性ケーブルができる. X線回折, 赤外分析による結晶化度を調べ部分放電との関係も詳細に検討した.
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