近年、動物病院の日常業務において保定時に
動物看護師
が負傷する頻度が高いことから、ヒトと動物の双方にとって安全な保定技術が求められている。しかし動物看護学教育のための教科書や参考書には種々様々な保定技術が解説されているので、どの保定法を採用するのかは現場の獣医師や
動物看護師
の裁量に任されている。そこで本研究では、診療時における看護師の安全対策の一助とすることを目的として、現場の
動物看護師
112名に対して保定技術に関する質問紙調査を行った。その結果、回答者の79.8%が 1 日に10回以上保定に携わっていることが明らかとなった。また動物病院あるいは
動物看護師
によって異なる保定方法が採用されていた。さらに94.0% が直近 1 年間の動物の保定で怪我をしていたことから、今後は動物看護学教育などを通じて、
動物看護師
の安全性に配慮した適切な保定法を普及することが望まれる。
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