地方の科学館は地域社会に根ざさなければなりません。したがって、来館者を増やすこと、リピーターの確保、そして、リピーターを中心とした科学に対する理解や知識を、段階を経て提供し、ボトムアツプを果たしていくべきです。それには中長期的な計画を持つこと、いつ来館しても新鮮な感動や発見が得られる環境作り、高度なサイエンス・インタープリターの育成などが必要と思われます。しかしながら、多くの科学館が現状のままである限り、極論ですが、税金の無駄遣いに過ぎません。科学館は社会に不要と考えます。この考えは、私自身が、とにかく科学館が好きでたまらないという感情から沸いて出てきているものです。ですから、私は常々、「科学館不要論」を唱え、自分自身を、また自分の施設を成長させてきました。実際に現在の職場では主任という立場で現場を一任されてから、来館者及びリピーターが増えてきています。今の私は、少しずつですが、私の科学館は地域に根ざしてきたと体感し始めています。
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