空中写真から1, 765箇所の地すべり地形を判読し, それらの分布, 規模, 形態や地塊の滑動方向の特徴, 地形・地質との関係, 最近滑動し災害をもたらした地すべりとの関係を解析した。地すべり地形の約79%は第三紀泥質岩からなる地域に, そして約16%は “緑色岩類” 地域に分布する。また, 第四紀火砕物地域や火山岩地域にも点在する。地すべり地形の規模や形態, 地塊の滑動方向などの特徴は各地質域での地形, 地質構成岩の岩質・岩相や地質構造を反映している。最近発生した地すべりには地すべり地形を示す斜面が融雪, 豪雨, 地震や斜面末端開削に伴って再滑動した事例があり, 地すべり防災上, 地すべり地形の存在や特徴を知ることが重要である。
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