ニュートン法および準ニュートン法は、非線形方程式系の解を求める有用がつ強力な方法であるが、その適用範囲は方程式内の関数が連続微分可能な場合に限られている。一方、ORおよび数理計画の分野で現われる多くの問題、例えば、非線形相補性問題、不等式制約非線形計画問題に対するKarush-Kuhn-Tucker条件は、
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連続微分可能な方程式系として定式化される。従って、これらの問題に対して、ニュートン法あるいは準ニュートン法を直接適用することはできない。本論文の目的は、ニュートン法および準ニュートン法を
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連続微分可能な方程式系に拡張することである。正則性条件のもとで、拡張されたニュートン法の二次収束性、拡張された準ニュートン法の超一次以東性が示される。従来のニュートン法および準ニュートン法の拡張(Josephy 1979、 Pang and Chan 1982、 他)では与えられた非線形方程式系は
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に線形近似されている。正則性条件のもとで、
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線形近似方程式系を逐次解くことにより得られる点列はもとの方程式系の解に局所的に収束する。しかしながら
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線形近似方程式系を解くこと自体あまり容易でない。更に、一般的に言って、
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線形方程式系を解くためには、線形方程式系を解くより多くのコストがかかる。本論文で提案した方法では、非線形方程式系の線形近似が用いられており、これらの困難を解消している。数値例により、提案した方法が有効に働くことも確かめた。
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