本研究は兵庫県に位置する中山間地の
千種川
を対象とし,RRIモデルを用いて河道改修効果を定量的に評価することを目的とした.また,構築したRRIモデルを用いたリアルタイム氾濫予測の実用性についても言及している.
RRIモデルの構築にあたっては,100mメッシュの空間解像度とし,地盤高は基盤地図情報数値標高モデル5m・10m,土地利用は国土数値情報土地利用細分メッシュデータを用いた.構築したRRIモデルは,
千種川
の治水基準点において予測精度の高い水文モデルであることを証明した.
千種川
における河道改修効果は,2009年8月洪水を対象とし,RRIモデルの河道モデルを改修前後の断面に変更し,それぞれのシミュレーション結果を比較することで評価した.
その結果,河道改修によって浸水区域や浸水深は半減し,浸水ボリュームは1/3に低減した.
一方で,京都大学防災研究所が中心となり,DIASのフィジビリティスタディとしてXRAINと
千種川
RRIモデルを用いたリアルタイム氾濫予測システムを構築した.今後,精度面や実用面を検証したうえで兵庫県氾濫予測システムにおける次世代のモデルとしてRRIモデルの活用が期待されるところである.
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