「シネリテラシー」とは,映画の読解と製作を通して学習意欲を高める教育である。本論の目的は,その教育学的意義を具体的実践と社会学的考察を基に検証するとともに,「映像メディアによる表現」を活性化するための手がかりを得ることにある。実践としては,2009年に新潟市の映画館と連携して「シネリテラシーフェスタin新潟」を企画運営した。理論的考察としては,マクルーハンのメディア論,デューイ・ミード・デールらのプラグマティズム,フレイレの思想などを手がかりとした。結論として,映画のメディアとしてのメッセージ性が子どもの社会的自我形成に関与していることや,子どもの表現を学校・家庭・社会の三者が支えている構図に教育学的意義を見出した。
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