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全文: "卵母細胞"
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  • 森川 莉帆, 李 智博, 宮野 隆
    日本繁殖生物学会 講演要旨集
    2019年 112 巻 P-43
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/09/27
    会議録・要旨集 フリー

    【背景】胞状卵胞内で卵母細胞は,周囲を取り囲む卵丘細胞と相互に作用し合いながら発育する。卵母細胞はGDF9とBMP15を分泌し,卵丘細胞を制御すると考えられている。本研究では,ブタ卵母細胞におけるGDF9BMP15 mRNAの発現を調べるとともに,発育途上の卵母細胞を含む卵母細胞−卵丘細胞複合体(OCC)を培養し,卵母細胞の発育とOCCの発達に及ぼすGDF9とBMP15の影響を調べた。【方法】直径1.2~1.5 mmの初期胞状卵胞と直径4~6 mmの胞状卵胞から採取した卵母細胞と卵丘細胞におけるGDF9BMP15 mRNAの発現を調べた。また,初期胞状卵胞から採取したOCCをGDF9とBMP15(0,10,50および100 ng/mL)を添加した培養液中で5日間発育培養し,OCCの直径,卵母細胞の直径および核相の変化を調べた。発育培養後のOCCを成熟培養し,卵母細胞の成熟能力を比較した。【結果】初期胞状卵胞と胞状卵胞の卵母細胞には,GDF9BMP15 mRNAの発現が認められ,mRNAの発現はともに初期胞状卵胞の卵母細胞で高かった。卵丘細胞には,GDF9BMP15 mRNAの発現はほとんど検出されなかった。OCCを発育培養すると,GDF9はOCCの直径を濃度依存的に増加させたが,BMP15では濃度依存的な直径の増加は認められなかった。発育培養後,卵母細胞の直径と核相はいずれの区においても体内で発育を完了した卵母細胞と同様な状態へと変化した。発育培養後のOCCを成熟培養すると,無添加区とGDF9区では,卵丘の膨潤化の程度は低く,卵母細胞は卵核胞期のままであった。一方,BMP15区では卵丘は膨潤化し,卵母細胞は高率に第二減数分裂中期へと成熟した。【結論】ブタの初期胞状卵胞において,GDF9BMP15 mRNAは主に卵母細胞で発現し,卵胞の発達と共にその発現量は減少した。また,卵母細胞の発育過程において,GDF9は卵丘細胞の増殖を促進し,BMP15は卵母細胞の成熟能力の獲得を促すことが示唆された。

  • 佐藤 英明, 宮本 庸平
    Experimental Animals
    1988年 37 巻 3 号 231-238
    発行日: 1988/07/01
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    32-34日齢のマウス (ICR系) 卵巣における卵母細胞の構成を組織学的に調べるとともに, さまざまな発育段階にある卵母細胞を分離分別して培養し, 卵母細胞の直径と減数分裂再開始能力との関係を調べ, 減数分裂再開始能力の獲得時期を明らかにしようとした。卵巣をカミソリで細断することによりステージ3b (Pedersen, 1970 [10] の分類による) より発育の進んだ卵胞にある卵母細胞の約30%が分離されると推定された。また卵丘細胞をもたない分離卵母細胞の直径を5μmごとにまとめると56-85μmの範囲に分布していたが発育を終了した卵母細胞を含むと考えられるステージ6以上の卵胞の卵母細胞の直径は70μmを超えていた。体外培養により直径66-70μcmの卵母細胞は81.8%のものにおいて減数分裂の再開始が観察されたが直径65μm以下の卵母細胞では全く減数分裂の再開始像は観察されなかった。直径50-60μmの卵母細胞を酵素処理により卵胞から分離して培養したが減数分裂の再開始は誘起されなかった。またCaイオノホアや8-Br-cAMPを培養液に添加しても卵胞に包まれた直径50-60μmの卵母細胞における減数分裂の再開始を誘起することはできなかった。以上のことからマウス (ICR系) の卵母細胞の減数分裂再開始能力は直径66μmを超えたころから発現するようになると推定された。
  • 伏井 実穂子, 山田 理愛, 宮野 隆
    日本繁殖生物学会 講演要旨集
    2018年 111 巻 P-21
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/09/21
    会議録・要旨集 フリー

    【目的】ウシの初期胞状卵胞から採取した卵母細胞の体外発育培養には,これまで主に卵母細胞−卵丘細胞−壁顆粒膜細胞複合体(OCGC)が用いられてきた。本研究では,卵母細胞−卵丘細胞複合体(OCC)を用いて,卵母細胞の体外発育培養を試みた。また,発育培養においてOCCに及ぼす卵胞刺激ホルモン(FSH)の影響について調べた。【方法】直径0.5~0.7 mmのウシの初期胞状卵胞から採取した直径90~105 µmの卵母細胞を含むOCCを,10 ng/mlアンドロステンジオンおよび10 ng/mlエストラジオール17βを添加した培養液中で培養した。対照として,OCGCを同様に培養した。また,培養液にさらに0.001~0.05 IU/ml FSH(rhFSH)を添加した。培養期間中の複合体のドーム様構造形成,培養後の卵母細胞の直径および核相を調べた。発育培養後,卵母細胞を体外成熟培養し,卵母細胞の成熟能力の獲得を調べた。【結果】OCGCでは培養4 日後,OCCでは培養7 日後にドーム様構造が形成され始め,ともに80%以上で形成された。またOCCでは,OCGCと同様に,卵母細胞は直径約120 µmへと発育し,成熟培養したところ,ともに約80%の卵母細胞が第二減数分裂中期(MII期)へと成熟した。OCCを0.001~0.05 IU/ml FSHを添加した培養液中で培養すると,いずれの濃度においてもOCCの直径は増加し,ドーム様構造の形成開始日が早まった。0.001 IU/ml FSH添加区では,発育培養後の卵母細胞の直径はFSH無添加区よりわずかに小さかったが,退行卵母細胞は無かった。また成熟培養後,80%以上の卵母細胞がMII期へと成熟した。一方,0.005 IU/ml以上のFSH添加区では,発育培養後,退行卵母細胞の割合は高くなった。以上の結果から,OCCでも卵母細胞は発育して成熟能力を獲得すること,FSHは発育培養期間中のOCCのドーム様構造の形成を早め,0.001 IU/ml FSHでは退行卵母細胞の割合を低下させることが示唆された。

  • 矢持 隆之, 橋本 周, 日野 佳子, 山中 昌哉, 中岡 義晴, 森本 義晴
    日本繁殖生物学会 講演要旨集
    2018年 111 巻 OR1-4
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/09/21
    会議録・要旨集 フリー

    【目的】体内での卵母細胞の発育において,壁性顆粒膜細胞は分泌因子を介したシグナル伝達により卵母細胞の発育を促進することが知られている。しかしながら,初期胞状卵胞由来発育途上卵母細胞の体外発育において,壁性顆粒膜細胞が卵母細胞の発育にどのように影響するかは不明である。本研究では,発育途上卵母細胞の体外発育環境の改善を目的として,壁性顆粒膜細胞が卵母細胞の生存,発育,成熟能に及ぼす影響を調べた。【方法】春機発動前ブタの直径0.3–0.9 mmの卵胞より,壁性顆粒膜細胞-発育途上卵母細胞複合体(MGOCs),及びMGOCsから壁性顆粒膜細胞を除去した卵丘細胞-発育途上卵母細胞複合体(COCs)を得た。得られた450個のMGOCs及び454個のCOCsを14日間培養し,卵母細胞の生存,発育,成熟能を観察した。【結果】14日間培養後の生存率はMGOCs群(54.4%)がCOCs群(37.2%)より高かった。卵母細胞の退行率に差はなかった(MGOCs:44%,COCs:41.9%)。COCs群では培養8日目以降に卵丘細胞の退行による自発的な裸化が観察されたが,MGOCs群では裸化は抑制された(COCs: 20.9%,MGOCs:1.6%)。卵母細胞の発育において,COCs群では培養8日目まで,MGOCs群は培養10日目まで卵母細胞直径の増加が観察され,培養後の卵母細胞直径はMGOCs群(117.9 μm)が COCs群(112.4 μm)より大きかった。さらに,MII期への成熟率においてもMGOCs群(78.9%)がCOCs群(47.7%)より高かった。また,培養期間を通してGV期での減数分裂の停止が維持されているかを観察したところ,COCs群において20%の卵母細胞で自発的な減数分裂の再開が観察された。一方で,MGOCs群では全ての卵母細胞がGV期で停止していた。これらのことから,卵母細胞の体外発育において,壁性顆粒膜細胞は,卵母細胞の発育,減数分裂停止の維持,成熟能の獲得に重要であることが示された。

  • 宮野 隆, 平尾 雄二, 加藤 征史郎, 苅田 淳
    家畜繁殖学雑誌
    1988年 34 巻 1 号 61-66
    発行日: 1988年
    公開日: 2008/05/15
    ジャーナル フリー
    出生直後のマウス卵巣内の卵母細胞では,透明帯は全く形成されていなかったが,2日齢では,一部の発達した卵母細胞で,その周囲に不連続の透明帯が出現した。
    4日齢の卵巣では,卵母細胞はさらに発達し,それらの透明帯は卵母細胞のほぼ全周を取り囲む状態となった。また,6日齢では,全周が透明帯で取り囲まれた卵母細胞の数はさらに増加した。
    出生直後,2日齢,4日齢および6日齢の卵巣内の卵胞,合計160個について,卵母細胞の直径と透明帯の形成状態を画像解析装置を用いて調べたところ,卵母細胞の直径が約33μmに達すると透明帯の形成が開始され,約39μmに達した段階で透明帯が卵母細胞の全周を取り囲む状態となり,その後,穎粒膜細胞の急激な増数が起こることが明らかとなった。
  • 梅津 康平, 平舘 裕希, 原 健士朗, 種村 健太郎
    日本繁殖生物学会 講演要旨集
    2019年 112 巻 OR1-17
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/09/27
    会議録・要旨集 フリー

    【目的】受精の成立のためには卵母細胞までの精子遊走が必須である。哺乳類においても様々な精子走化性因子が報告されているものの,これら走化性因子が精子の最終到達目標である卵母細胞への遊走に寄与しているかについては不明であった。受精の成否を左右し得る精子を卵母細胞に導く因子を特定することは,特に原因不明の受胎率低下に悩まされているウシの生産領域においては重要課題である。よって,本研究では,卵母細胞へ導くウシ精子走化性因子を特定することを目的とした。【方法】卵母細胞が精子を誘引するか否かを確認するために,12ウェルディッシュに卵母細胞を配置した上で体外受精を行い,卵母細胞を配置したウェルと空のウェルに集まった精子数を比較した。次に,卵母細胞へ導く因子の候補としてstromal cell-derived factor 1(SDF1)に着目し,卵母細胞におけるSDF1の発現と,精子におけるSDF1の受容体CXCR4の発現を免疫組織化学によって確認した。次に,SDF1が走化性因子であるか否かを検討するために,SDF1高濃度方向へ遊走した精子数を算出し,高濃度方向へ遊走する精子の運動を観察した。最後に,精子を卵母細胞に導く因子としてのSDF1の可能性を検討するために,CXCR4阻害剤添加による卵母細胞のウェルに集まった精子数への影響を解析した。【結果】卵母細胞を配置したウェルに集まった精子数は空のウェルに集まった精子数と比較して有意に多かった。また,卵母細胞におけるSDF1の発現と,精子におけるCXCR4の発現を確認した。さらに,精子はSDF1高濃度方向へ遊走することが示され,その際,非対称的な鞭毛の屈曲によるターン運動によって方向転換している精子が多く観察された。最後に,卵母細胞を配置したウェルに集まった精子数はCXCR4阻害剤添加により減少した。以上より,卵母細胞で発現が認められるSDF1は精子上のCXCR4を介して,精子を卵母細胞に導く新たなウシ精子走化性因子であることが示された。

  • 川本 吏記, 宮野 隆
    日本繁殖生物学会 講演要旨集
    2016年 109 巻 P-30
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/09/16
    会議録・要旨集 フリー

    【目的】卵巣内の卵母細胞を体外で発育・成熟培養し,受精可能な成熟卵を作出する技術は新たな繁殖技術として期待されている。卵母細胞を体外で発育させるには,卵母細胞と周囲の卵丘細胞の結合を維持し,卵母細胞の裸化を防ぐことが必須であり,初期胞状卵胞から採取した卵母細胞の生存性を維持し発育させるには,卵丘細胞に加えて壁顆粒膜細胞をも含めた複合体が用いられる。しかし,採取が容易な卵母細胞−卵丘細胞複合体(OCC)を用いた体外発育培養系がより実用的と思われる。本研究では,OCCを用い,発育途上のブタ卵母細胞の体外発育に及ぼす培養酸素濃度の影響を調べた。【方法】ブタの卵巣から直径0.5~0.7 mmの初期胞状卵胞を切り出し,OCCを採取した。OCCを5%酸素(5%O2-5%CO2-90%N2)および20%酸素濃度(5%CO2-95%空気)条件下で14日間体外発育培養した。一部の実験では,培養6日後に酸素濃度を変更した。3日ごとに,正常な構造を持つOCCの割合を調べ,培養終了後に卵母細胞の直径と核相を調べた。卵丘細胞が卵母細胞を完全に覆っているOCCを正常と判断した。また,体外発育培養後,正常な構造を持つOCCを成熟培養し,卵母細胞の成熟能力を比較した。【結果】培養14日後,正常な構造を持つOCCの割合は,20%酸素条件下では22%(n=59)であったが,5%酸素では47%(n=63)と有意に高かった。また,培養6日後に20%から5%酸素へ変更すると正常なOCCの割合は増加し,逆に5%から20%酸素へ変更するとその割合は低下した。5%酸素で発育培養した後,正常な構造を持つOCCから採取した卵母細胞の直径は平均126 µmであり,核相は体内で発育を完了した卵母細胞と同様となった。また,発育培養後の成熟培養により,約50%の卵母細胞が第二減数分裂中期へと成熟した。以上の結果から,ブタ卵母細胞−卵丘細胞複合体の体外発育培養では,5%の低酸素条件を用いると,発育した卵母細胞を高率に回収できることが明らかになった。

  • 松原 佑里子, 牧田 美穂, 宮野 隆
    日本繁殖生物学会 講演要旨集
    2014年 107 巻 P-51
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/08/20
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    【目的】卵巣内の卵母細胞は発育を完了した後も,性腺刺激ホルモンの刺激を受けるまで減数分裂を停止している。初期胞状卵胞由来の直径約110 µmのウシ卵母細胞は減数分裂を再開する能力を一部獲得しているが,成熟する能力は持たず,成熟能力を獲得させるには発育培養が必要である。しかし,発育の間,卵母細胞の減数分裂の早期再開を抑制する必要がある。本研究では,ウシ卵母細胞の減数分裂再開を抑制するとの報告(Aktasら,1995)のあるIBMXを発育培養液に添加し,発育培養期間中の卵母細胞の発育と成熟能力獲得に及ぼす影響を調べた。【方法】直径1.2~1.5 mmのウシ初期胞状卵胞より,直径105~115 µmの発育途上の卵母細胞を含む卵丘細胞‐卵母細胞複合体(COCs)を採取し,0.25~100 µMのIBMXを添加した発育培養液中で5 日間発育培養した。発育培養後に卵母細胞を固定し,核相を観察した。さらに,その後成熟培養を行い,卵母細胞の成熟能力を調べた。【結果】初期胞状卵胞由来の平均直径約110 µmの卵母細胞を5 日間発育培養すると,いずれの実験区においても卵母細胞は高い生存性を示し(70~98 %),平均直径は120 µm以上へと増加した。また,発育培養期間中,2.5 µM以上の濃度のIBMXを添加した実験区では半数以上のCOCs中に卵胞腔様構造が形成された(無添加区:約30 %)。IBMX無添加区では発育培養後,約30 %の卵母細胞が減数分裂を再開していたが,IBMX添加区では卵母細胞の減数分裂再開は用量依存的に抑制された。さらに,IBMX添加区の卵母細胞では,その後の成熟培養によって第二減数分裂中期への成熟率が上昇した。本研究より,IBMXは,直径1.2~1.5 mmの初期胞状卵胞由来のウシ卵母細胞の体外発育培養期間中の減数分裂の早期再開を抑制し,卵母細胞の成熟能力獲得を促進することが明らかとなった。
  • 牧田 美穂, 平尾 雄二, 宮野 隆
    日本繁殖生物学会 講演要旨集
    2012年 105 巻 P-8*
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/09/04
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    【目的】ウシの卵巣内には発育途上の卵母細胞が多数存在する。これらの卵母細胞を体外で発育させるには,適切な培養環境を整えなければならない。直径約95 µmの卵母細胞を10あるいは100 ng/mlのエストラジオール17β(E2)またはアンドロステンジオン(A4)を添加して培養すると,卵母細胞の生存性や成熟能力の獲得が促進されるとの報告がある。しかし,卵母細胞が第II減数分裂中期へと成熟する割合は10~45%と低い。本研究では,E2 とA4を同時に添加した培養液中で卵母細胞-顆粒膜細胞複合体を培養し,E2 とA4が卵母細胞の生存性,発育および成熟能力の獲得に及ぼす影響を調べた。【方法】直径0.5~0.7 mmの初期胞状卵胞から直径90~105 µmの卵母細胞を含む卵母細胞-顆粒膜細胞複合体を採取した。4%ポリビニルピロリドン,4 mMヒポキサンチン,5%ウシ胎仔血清,0,10,50,100 ng/mlのE2とA4を添加したαMEM中で,複合体を14日間培養した。培養後,複合体をhMG添加TCM199中で22時間培養し,卵母細胞の成熟率を調べた。【結果】培養中,E2またはA4を添加した培養液中で,複合体はドーム様構造を形成した。培養後,生存していた卵母細胞の直径はすべての培養液で増加した。100 ng/mlのE2またはA4単独添加では,発育培養後の卵母細胞の生存率は78%および54%で,その後の成熟率は30%および34%であった。10 ng/mlのE2とA4,あるいは100 ng/mlのE2と10 ng/mlのA4を同時に添加すると,卵母細胞の生存率は73~75%,成熟率は54~58%と上昇した。また,これらの培養液中で発育した卵母細胞の平均直径は約120 µmと,体内で発育した卵母細胞と同等の大きさとなった。本研究結果から,培養液へのE2と低濃度のA4の同時添加が,卵母細胞の体外発育における生存性,発育および成熟能力の獲得を促進することが明らかとなった。
  • 伏井 実穂子, 宮野 隆
    日本繁殖生物学会 講演要旨集
    2019年 112 巻 P-45
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/09/27
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    【目的】初期胞状卵胞から採取したウシ卵母細胞を体外で発育させるには,卵母細胞と顆粒膜細胞間の物理的な結合の維持が重要である。本研究では,卵母細胞と顆粒膜細胞/卵丘細胞の結合を担うTranszonal Projection(TZP)を消失させた裸化卵母細胞を,新たに準備した壁顆粒膜細胞と共培養し,卵母細胞と顆粒膜細胞の結合が形成されるかについて,TZPを指標に調べた。また,TZPの形成に及ぼす卵胞刺激ホルモン(FSH)の影響を調べた。【方法】直径0.5~0.7 mmのウシ初期胞状卵胞から卵母細胞−卵丘細胞複合体を採取し,卵母細胞を裸化した後,αMEMを基礎培養液とした培養液中で24 時間培養し,TZPを消失させた。次いで,裸化卵母細胞を,初期胞状卵胞から別途準備した壁顆粒膜細胞と,培養液のマイクロドロップ中で24 時間共培養し,複合体を再構築させた。実験区にはさらに0.001 IU/ml FSH(rhFSH)を添加した。複合体をメンブレンインサート上に載せ,さらに培養した。卵母細胞の裸化24 時間後,壁顆粒膜細胞との共培養開始24,48,72 時間後の卵母細胞をAlexa Fluor 488 Phalloidinで染色後,共焦点レーザー顕微鏡で画像を取得し,TZP数を数えた。【結果】卵母細胞の裸化24 時間後,TZPのほとんどは消失した。壁顆粒膜細胞との共培養開始24 時間後,卵母細胞との間にTZPの形成が認められた。共培養開始後,時間の経過とともにTZP数は増加し,72 時間後には,裸化処理前の卵母細胞と同等となった。壁顆粒膜細胞との共培養開始後,FSH添加区では,無添加区と比べてTZP数の増加は緩やかであった。以上の結果から,裸化卵母細胞と壁顆粒膜細胞を共培養すると,壁顆粒膜細胞からTZPが伸長し,卵母細胞との間にTZPが形成されることが示された。また,FSH添加によりTZPの形成は遅れると考えられる。

  • 森川 莉帆, ALAM Md Hasanur, 宮野 隆
    日本繁殖生物学会 講演要旨集
    2018年 111 巻 P-22
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/09/21
    会議録・要旨集 フリー

    【目的】卵胞内で卵母細胞は周囲の顆粒膜細胞/卵丘細胞と結合し,相互に情報伝達を行いながら発育する。卵母細胞の体外発育では,これらの体細胞と卵母細胞との相互作用を維持することが重要と考えられる。家畜の初期胞状卵胞から採取した発育途上の卵母細胞の体外発育培養には,卵丘細胞に加えて壁顆粒膜細胞をも含めた複合体が用いられることが多いが,採取がより容易な卵母細胞−卵丘細胞複合体(OCC)を用いた体外発育培養系が実用的と思われる。growth differentiation factor 9(GDF9)は,卵母細胞が分泌するTGF-βスーパーファミリーに属する成長因子である。本研究では,発育途上のブタ卵母細胞を含むOCCを培養し,卵母細胞の発育およびOCCの形態に及ぼすGDF9の影響を検討した。【方法】ブタの卵巣表面から組織片を切り出し,直径1.2~1.5 mmの初期胞状卵胞からOCCを採取した。血清,PVP,ヒポキサンチンおよびFSHを添加したα-MEMを基礎培養液とし,さらに0,10,50または100 ng/mlのGDF9を添加した培養液中でOCCを5日間体外発育培養した。培養3日後および5日後にOCCの形態を観察し,卵丘細胞が卵母細胞を完全に覆っているOCCを正常と判断した。培養開始時,培養3日後および5日後に,OCCの直径を測定した。また,発育培養終了後,卵母細胞の直径と核相を調べた。その後,形態的に正常なOCCを48時間体外成熟培養し,卵母細胞の成熟能力を比較した。【結果】培養開始時に170~190 µmであったOCCの直径は,培養5日後にはGDF9添加区でいずれも無添加区と比較して増大した。培養開始時に約115 µmであった卵母細胞の直径は,いずれの区においても,培養5日後に120 µm以上へと増加し,卵丘細胞の核相は,体内で発育を完了した卵母細胞と同様な状態へと変化した。また,成熟培養後,卵母細胞は第二減数分裂中期へと成熟した。以上の結果より,GDF9は卵丘細胞の増殖を促進すると考えられる。

  • 牧田 美穂, 宮野 隆
    日本繁殖生物学会 講演要旨集
    2013年 106 巻 P-16
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/09/10
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】卵巣内で発育中の卵母細胞を体外に取り出して発育させるには,卵母細胞−顆粒膜細胞間の物理的な結合を維持しなければならない。直径約95 µmのウシ卵母細胞−顆粒膜細胞複合体をエストラジオール17β(E2)およびアンドロステンジオン(A4)を同時添加した培養液中で14日間培養すると,卵母細胞は直径約120 µmへと発育し,高率に成熟能力を獲得した(第105回大会)。本研究では,培養液へのE2およびA4の添加が卵母細胞と顆粒膜細胞の結合に及ぼす影響を,透明帯を貫通する突起(Transzonal projection, TZP)の数を指標に調べた。【方法】直径0.5~0.7 mmのウシ初期胞状卵胞から直径90~100 µmの卵母細胞を含む卵母細胞−顆粒膜細胞複合体を採取した。4%ポリビニルピロリドン,4 mMヒポキサンチン,5%ウシ胎仔血清を添加したαMEM中で,複合体を14日間培養した。培養液にはさらに,100 ng/ml E2およびA4を単独で,または10 ng/ml E2およびA4を同時(E2+A4)に添加した。培養後,卵母細胞をFITC標識ファロイジンで染色後,共焦点レーザー顕微鏡で卵母細胞の横断面像を撮影し,TZPの数を数えた。【結果および考察】E2またはA4添加培養液中では,培養期間を通して卵母細胞は顆粒膜細胞に包まれていた(無添加:28%,E2:68%,A4:52%,E2+A4:75%)。無添加区のTZP数は,培養後,減少したが,E2またはA4添加によって減少は防がれた。特にE2およびE2+A4区では,TZP数は培養前と同等であった(培養前:94.8,E2:98.2,E2+A4:85.0 本/卵母細胞)。また,これらの培養液中で発育した卵母細胞の平均直径は体内で発育した卵母細胞と同等となった。本研究結果から,培養液へのE2およびA4添加は,TZPを維持することにより卵母細胞の裸化を防ぎ,卵母細胞の発育を支持することが示唆された。
  • 竹鶴 裕亮, 金子 武人
    日本繁殖生物学会 講演要旨集
    2016年 109 巻 P-89
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/09/16
    会議録・要旨集 フリー

    【目的】ラットは,性周期が安定しており繁殖性が良く,過排卵により多くの卵母細胞を採取することのできる実験動物である。しかしながら,産子数が少なく,過排卵が誘起しにくい系統も存在している。これらの系統から多くの卵母細胞を得るために,卵巣内の卵核胞(GV)期卵母細胞を体外で成熟させる技術は効果的である。本研究では,ラット卵巣内より採取したGV期卵母細胞を4種類の培養液を用いて体外成熟させ,その後の卵母細胞の受精能および産子への発生能について検討した。【方法】8週齢以上のWistar,F344およびBN雌ラットに,PMSG(150あるいは300 iu/kg)を投与した。投与48時間後,胞状卵胞内より卵母細胞−顆粒膜細胞複合体(OGCs)を採取した。採取したOGCsは,HTF,αMEM,HTF+αMEM(1:1混合液)あるいはTYH+αMEM(1:1混合液)で16時間培養した。培養後,第二減数分裂中期(MII)へと成熟した卵母細胞は,塩化ストロンチウム(SrCl2)で活性化処理をすることで成熟度を評価した。また,体外成熟後のMII卵母細胞は,顕微授精により同系統の凍結保存精子と受精させた。受精後,前核期胚あるいは2細胞期胚へと発達した胚は,偽妊娠雌の卵管内に移植し産子への発生について調べた。【結果および考察】今回用いた全ての培養液において,60%以上の卵母細胞がGV期からMIIへと発達した。成熟したMII卵母細胞をSrCl2で活性化した結果,αMEMおよびTYH+αMEMで成熟培養したときに高い活性化率を示した。また,αMEMで培養した卵母細胞は,顕微授精後の産子発生率が高かった。以上のことから,ラット卵母細胞はαMEMで体外成熟が可能であり,過排卵誘起による卵母細胞採取が困難なラット系統から卵母細胞や受精卵を作製するために有効な方法として利用することができると考えられる。

  • 牧田 美穂, 竹本 隆太郎, 宮野 隆
    日本繁殖生物学会 講演要旨集
    2015年 108 巻 P-45
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/09/15
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】卵母細胞の体外発育では,周囲の卵丘細胞が適切に増殖し卵母細胞の裸化を防ぐことが重要である。平均直径116 µmのブタ卵母細胞は,FSHを添加した培養液中で5日間発育培養することにより,最終の大きさへと発育し,成熟能力を獲得する(Kuboら,2015)。しかし,これより小さなブタ卵母細胞の体外発育に及ぼすFSHの影響は不明である。本研究では,FSHを添加した培養液中で直径約100 µmのブタ卵母細胞を含む卵母細胞−顆粒膜細胞複合体を培養し,FSHが卵母細胞の体外発育に及ぼす影響を調べた。さらに,5-ethynyl-2'-deoxyuridine(EdU)の核への取り込みによって新規に合成されたDNAを検出し,卵丘細胞の増殖性に及ぼすFSHの影響を調べた。【方法】直径0.5~0.7 mmのブタ初期胞状卵胞から直径約100 µmの卵母細胞を含む卵母細胞−顆粒膜細胞複合体を採取した。0,0.001,0.01および0.1 IU/mlのFSHと2%ポリビニルピロリドンを添加した発育培養液中で複合体を14日間培養した。培養後,卵母細胞を成熟培養し,核相を観察した。また,FSHおよびEdUを添加した培養液中で複合体を2日間培養した。培養後,卵丘細胞のEdUを蛍光染色し,細胞の増殖性を観察した。【結果】発育培養中,FSH無添加および0.001 IU/ml添加培養液中では卵母細胞は裸化し,退行した。0.01および0.1 IU/ml FSH添加培養液中では培養中,69%および57%の複合体がドーム様構造を形成し,卵母細胞は直径約125 µmへと発育した。その後の成熟培養によってそれぞれ60%および55%の卵母細胞が第二減数分裂中期へと成熟した。これらの培養液中では,培養2日後,卵丘細胞の増殖性は,FSH無添加または0.001 IU/ml添加培養液中に比べて高かった。以上の結果より,FSHは卵丘細胞の増殖性を増加し,ブタ卵母細胞の体外発育を促進することが明らかとなった。
  • 牧田 美穂, 宮野 隆
    日本繁殖生物学会 講演要旨集
    2014年 107 巻 P-50
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/08/20
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】卵胞の体細胞によって合成,分泌されるステロイドホルモンは卵胞形成に重要な機能を持つ。最近,アンドロステンジオン(A4)がウシ卵母細胞の体外発育において成熟能力の獲得に効果的に作用することが報告された。しかし,A4は顆粒膜細胞によってエストラジオール17β(E2)に変換されるアンドロジェンであるため,A4が卵母細胞の成熟能力の獲得に直接作用を持つのか,あるいは変換されたE2が作用するのかは不明である。本研究では,E2に変換されないアンドロジェンであるジヒドロテストステロン(DHT)を添加した培養液中で卵母細胞−顆粒膜細胞複合体を培養し,アンドロジェンが卵母細胞の体外発育に及ぼす影響を調べた。さらに,卵母細胞に及ぼすアンドロジェンの影響に対するアンドロジェンレセプター阻害剤(ヒドロキシフルタミド:OHF)の阻害作用を調べた。【方法】直径0.4~0.7 mmのウシ初期胞状卵胞から直径90~100 μmの卵母細胞を含む卵母細胞−顆粒膜細胞複合体を採取し,E2,A4,テストステロン(T)またはDHTを単独あるいは同時に添加した発育培養液中で14日間培養した。E2とA4またはDHTを同時添加した培養液に,さらにOHFを添加し,同様に培養した。培養後,卵母細胞を 22時間成熟培養し,核相を観察した。【結果および考察】14日後,DHT単独添加培養液中では,ほとんどの卵母細胞が裸化し退行したが,E2,A4またはT添加培養液中では卵母細胞の生存性は高く維持された(59~80%)。その後の成熟培養では,E2単独添加(25%)に比べ,E2とA4またはDHTを同時に添加した培養液中で発育した卵母細胞は高率に第二減数分裂中期へと成熟した(43~52%)。しかし,これらの培養液にOHFを添加すると,卵母細胞の成熟率は低下した。本研究結果から,卵母細胞の発育過程において,アンドロジェンは卵母細胞の成熟能力の獲得に直接作用することが明らかとなった。
  • 京極 博久, 北島 智也
    日本繁殖生物学会 講演要旨集
    2016年 109 巻 OR2-11
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/09/16
    会議録・要旨集 フリー

    [目的]卵母細胞の第一減数分裂では,染色体分配異常が起こりやすいことが知られている。卵母細胞では,細胞質が体細胞の100倍以上と非常に大きいという特徴を持っている。本研究では,この非常に大きい細胞質が染色体分配異常を引き起こしやすい原因ではないかと考え,ライブイメージングと顕微操作技術を組み合わせて明らかにすることを目的とした。[方法]本研究ではマウス卵母細胞を用いた。まず,顕微操作により細胞質量を半分に減らした卵母細胞と細胞質量を2倍にした卵母細胞を作成した。これらの卵母細胞において,染色体,微小管集合中心,動原体をライブイメージングによって観察し解析を行った。[結果および考察]ライブイメージング解析により主に2つの結果を得た。1つ目は,細胞質によって紡錘体の大きさがスケーリングされていること。大きなサイズにスケーリングされた大きな紡錘体は,不安定であり染色体の赤道面への整列異常を引き起こすことが明らかとなった。2つ目は,紡錘体形成チェックポイントの厳密性が細胞質の大きさに依存して低くなること。これにより,大きな細胞質を持つ卵母細胞では,整列に失敗した染色体があったとしても,分裂後期への進行が阻害されなくいことが明らかとなった。これらの結果により,大きな細胞質によって紡錘体自体が不安定になり,染色体分配異常を防ぐ機構も弱くなることが,卵母細胞が染色体分配異常を引き起こしやすい原因であると考えられる。

  • 宮野 隆, 平尾 雄二, 加藤 征史郎, 苅田 淳
    日本畜産学会報
    1988年 59 巻 10 号 848-853
    発行日: 1988/10/25
    公開日: 2008/03/10
    ジャーナル フリー
    器官培養したマウス卵巣内における卵母細胞の発達および透明帯の形成過程を組織学的に検討し,生体内における発達と比較した.出生直後の雌マウスより採取した卵巣を培養し,2~6日後,プロナーゼ処理によって得た卵母細胞の直径を測定するとともに,組織染色標本を作製した.その結果,出生直後の卵巣の卵母細胞は直径25μmに満たず,周囲には透明帯は形成されていなかった.しかし,培養6日後,卵母細胞の3%は35μm以上に発達し,卵母細胞の一部にはすでに透明帯が形成されていた.また,顆粒膜細胞は生体内では卵母細胞の発達と透明帯の形成に伴って,扁平な形態から立方状へと変化し増数するのに対して,器官培養卵巣内では扁平なままであった.
  • 佐々木 将, 渡辺 連, 木村 直子
    日本繁殖生物学会 講演要旨集
    2018年 111 巻 P-9
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/09/21
    会議録・要旨集 フリー

    【目的】多くの哺乳類では,胎仔期に卵原細胞は減数分裂を終了し,一次卵母細胞のシストとなる。その後,母体の急激なホルモン変化を伴う出産前後に卵母細胞シストが崩壊して原始卵胞が形成され,卵巣内に備蓄される。この原始卵胞形成過程の分子メカニズムは詳しく分かっていない。我々は新生仔雌マウスへのオートファジー誘導ペプチドの投与による原始卵胞増加モデルを開発した。本研究では,このモデルにおける卵胞形成に関連した因子の発現動態を調べ,卵母細胞シストを形態学的に評価した。【方法】C57BL/6J新生仔雌マウスに,原始卵胞数がピークとなる生後60時間(h)までオートファジー誘導ペプチド(D11)の連続投与を行い,卵巣を回収した。これらをRT-PCR法により,エストロジェン受容体(ERα, β),抗ミューラー管ホルモンⅡ型受容体(AMHR2),mTOR及びSirtuinファミリーのmRNA発現量を解析した。また生殖細胞特異的マーカーMVH及び基底膜構成成分Lamininを用いて,野生型の単一卵母細胞数,卵母細胞シスト数,シスト内卵母細胞数を評価した。【結果】全てのmRNAの発現は,生後0 h~60 hにかけて増加する傾向がみられた。生後60 hのD11区では,対照区と比べER(α, β),AMHR2及びmTORは低い傾向がみられ,Sirtuin1は区間で差がみられなかった。Lamininは,卵母細胞シスト及び単一卵母細胞の周囲に検出された。対照区では,生後0 h~60 hにかけて単一卵母細胞数及び卵母細胞シスト数は増加し,シスト内卵母細胞数は減少する傾向がみられた。【考察】以上から,卵母細胞シスト数及びシスト内卵母細胞数は卵胞形成の進行の指標となりえ,ERα,β及びmTORがシストの断片化に関与している可能性が考えられた。またAMHR2の増加から,一次卵胞への発育が考えられた。現在,D11区の形態学的評価について進めている。

  • 矢持 隆之, 橋本 周, 天羽 杏実, 後藤 大也, 山中 昌哉, 井上 正康, 中岡 義晴, 森本 義晴
    日本繁殖生物学会 講演要旨集
    2015年 108 巻 P-44
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/09/15
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】ミトコンドリアはエネルギー生産,細胞内Ca2+制御,アミノ酸合成,アポトーシスなど,多くの機能に関与するオルガネラである。哺乳動物において,卵母細胞内ミトコンドリア分布や機能の変化が卵母細胞の成熟能や胚の発育能に重要である事が示唆されている。しかし,卵母細胞内でのミトコンドリアの動的分布変化については不明な点が多い。本研究では,卵母細胞のミトコンドリア分布変化を解明するために,蛍光標識したブタGV期卵母細胞のミトコンドリアをブタGV期卵母細胞に注入し,その細胞内動態を観察した。 【方法】春機発動前ブタ卵巣内卵胞(直径2–6 mm)から卵母細胞を採取し,ミトコンドリアのドナー卵母細胞およびレシピエント卵母細胞として用いた。ドナー卵母細胞のミトコンドリアを10 µM MitoTracker-Orange CM-H2TMRosにより蛍光標識し,10,000 × g,15分間,37oCで遠心して細胞内高比重画分にミトコンドリアを濃縮した。ミトコンドリアが濃縮された細胞質をインジェクションピペットで吸引採取し,これをレシピエント卵母細胞の中央部または細胞膜近傍に局所注入し,蛍光標識ミトコンドリアの細胞内動態を共焦点レーザー顕微鏡で経時的に解析した。さらに,ミトコンドリアの移動に関与する細胞骨格を調べるため,コルセミドまたはサイトカラシンB存在下で同様の観察を行った。 【結果】卵母細胞中央部に注入されたミトコンドリアは,細胞膜直下まで移動した後,細胞膜に沿って移動拡散した。細胞膜近傍に注入されたミトコンドリアは直接細胞膜に沿って移動拡散した。これらのミトコンドリアの移動は,サイトカラシンB処理により特異的に阻害された。 【考察】本研究の結果より,ブタGV期卵母細胞は細胞質中央から細胞膜直下へ,及び細胞膜に沿った移動経路が存在すると明らかになった。このミトコンドリアの移動にはアクチンフィラメントが関与する事が示唆された。
  • 久保 直子, Cayo-Colca Ilse Silvia, 宮野 隆
    日本繁殖生物学会 講演要旨集
    2013年 106 巻 P-23
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/09/10
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】ブタ初期胞状卵胞から採取した発育途上にある卵母細胞は,体外で発育培養後,成熟培養すると第二減数分裂中期(MII)へと成熟するが,成熟過程において卵丘の膨潤化は起こらない(Cayo-Colcaら,2011)。本研究では,ブタ卵母細胞の発育過程で起こる卵母細胞の成熟能力の獲得および卵丘の膨潤化能力の獲得に及ぼすエストラジオール17β(E2)の作用を調べた。また,発育・成熟培養後の卵母細胞を発生培養し,発育培養期間のE2の胚発生への影響を調べた。【方法】直径1.2~1.5 mmのブタ初期胞状卵胞より,発育途上の卵母細胞を含む卵丘細胞−卵母細胞複合体(COCs)を採取し,0~10−4 MのE2を添加した体外発育培養液中で5日間発育培養した。その後,成熟培養し,卵母細胞の体外成熟能力および卵丘の膨潤化能力を調べた。さらにMIIに成熟した卵母細胞をPZM-3培養液中で6日間体外培養し,胚発生能力を調べた。【結果】5日間の発育培養によって当初113.6±0.6 µmであった卵母細胞の平均直径は,125.1~129.5 μmに達した。E2を10−7,10−6,10−5,10−4 Mの濃度で添加した培養液中で発育させた場合,その後の成熟培養によって,それぞれ,58,47,74,49%の卵母細胞がMIIへと成熟した。また,E2無添加の培養液中で発育培養したCOCsでは,成熟培養中に卵丘の膨潤化は起こらなかったが,10–7,10–6,10–5,10–4 Mの濃度でE2を添加すると,それぞれ,44,48,79,55%のCOCsで,卵丘の膨潤化が起こった。さらに,体外で発育・成熟培養し,MIIに成熟した卵母細胞を発生培養すると,発育培養液へのE2添加(10−5 M),無添加において,それぞれ20%,7%が拡張胚盤胞へと発生した。以上の結果から,ブタ卵母細胞の発育過程において,E2は卵母細胞の成熟能力および卵丘の膨潤化能力,胚発生能力の獲得を促進すると考えられる。
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