SPF種鶏をケージにより飼育し,ケージの大きさと飼育密度が種卵生産に及ぼす影響を検討した。大きさ80×80×80cmのペンケージを単独(単ケージ)あるいは単ケージを3台連結(三連ケージ)して使用し,10実験区を設定した。1ケージ当たりの収容羽数を単ケージにおいては雄1または2羽,雌6, 7, 9および10羽,三連ケージでは雄3または5羽,雌19, 21, 23, 25, 28および30羽とした。1羽当たりの床面積は582, 686および800cm
2とし,12週齢に鶏を収容し70週齢まで飼育した。
1)20週齢体重,初産日齢,50%産卵日齢,50週齢卵重,種卵適格率,受精率および飼料摂取量については,ケージの大きさおよび1羽当たりの床面積による差は認められなかったが,産卵率と70週齢生存率には実験区間に差が認められる場合があり,単ケージにおける成績が三連ケージの成績より優れた傾向にあった。
2)ケージ1台に収容する羽数は雄1羽と雌7~10羽程度,1羽当たり床面積は800cm
2程度が適当とする結果が得られた。
3)ペンケージによる飼育は鶏体と排泄物の接触を避けて受精卵を生産することができ,平飼いと比べて鶏の状態を詳しく観察するのが容易である。ケージによる飼育は鶏のSPF状態に影響を及ぼすことはないので,SPF鶏の飼育に適しているものと考えられた。
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