太陽系の惑星,また近年多数発見されている系外惑星は,どのようにして形成されたのであろうか.これらの惑星達は,微惑星と呼ばれる惑星のもととなる小天体が衝突・合体により
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惑星を形成し,
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惑星同士の衝突をへて地球型惑星が形成される.一方,非常に大きくなった
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惑星が固体核となり膨大な量の大気を集積し,木星型惑星が完成する.大きな
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惑星ができる過程では,天体の衝突は合体・成長をもたらすだけでなく,破壊もおこす.破壊により生成される小さな破片はガス抵抗により
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惑星との相対速度が小さくなるため,
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惑星と衝突しやすくなり,成長を促す.その一方でガス抵抗によりこの破片は角運動量が奪われ,中心星に落下し消失してしまう.この諸刃の剣を両方矛盾無く取り入れると,
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惑星が成長できる大きさには上限が存在し,衝突・破壊が
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惑星の最終質量をきめる.太陽系のような木星や土星をつくる固体核を生成するには,成長時間が十分短く,壊れにくい微惑星が必要となる.現在の太陽系の固体成分よりも10倍重い
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惑星円盤の中で比較的大きい100km大の微惑星ならば,木星や土星は形成可能である.
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