著者らが以前に提案した3段からなる"Sb-1系水素製造プロセス"におけるつぎの(1)のステップの反応性の低さを,以下のような改良を重ねることにより,新たにつぎの5段からなる"Sb-1-Ca系1/2Sb203(s)+12(s)+H2O(l)→1/2Sb205(s)+2HI(aq)(1)
改良プロセズ"を組み立てることに成功した。4/3sb203+12(s)→213sbI3+sb,o,(4)
213sbI8+cao→caI2+113sb,o,(7c)
Cal2+H,0→CaO+2HI(6c)
2HI→H2+12(2')
sb,o→sb203+11202(3')
すなわち,まず(1)を気一固反応とすることを試みたが,Sbl3を生じる(4)のような副反応が先行したため,これを利用して(1)をつぎの(5),および(4)の2段反応に分解することを検討した。
2/3Sbl3+H20→113Sb203+2HI(5)しかしながら(5)は高温でもほとんど進行しないことが判明したため・これに媒介元素Mを導入してさらに,つぎの2段に分解することを試みた。このMとしてMg・Fe・Caなどを検討した結果,(6)
とMI2+H,0→MO+2HI(6)2/3sbl3+Mo→MI2+1/3sb203(7)
(7)の両反応を十分縫め得るCaをとりあげ,上の改良プロセスを構成した。さらに熱力学的な検討からもこのプロセスがかなり有望であることを確かめた。
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