陳旧性心筋梗塞 (OMI) と特発性心室頻拍 (VT) においてQRST isointegral mapと心室ペーシングによるVTの易誘発性との関連について検討した.対象は持続性VT (sVT) を伴うOMI 21例, 特発性sVT 26例および健常者40例であり, 体表面電位図を記録しQRST isointegral mapを作成した.OMIと特発性sVTに対してVT誘発試験を施行し, VTの易誘発性について検討した.多
双極子
性mapの頻度は, OMI 62%, 特発性sVT 8%, 健常者0%であり, OMIはほかの2群に比べ高頻度であった (p<0.01) .OMIでのmonomorphic sVTの誘発は, 多
双極子
性map 85%, 単一
双極子
性map 38%と多
双極子
性mapで高率であり (p<0.05) , また機序はreentryであると診断された.特発性sVTではVT易誘発性に関して多
双極子
性mapと単一
双極子
性mapとの間に差はなかった.以上, OMIでは多
双極子
性QRST isointegral mapとmonomorphic sVTの誘発との間に関連が認められること, およびmonomorphic sVTの機序がreentryであることから, 多
双極子
性ORST isointegral mapは一方向性ブロックを形成する部位の存在を示唆する可能性があると考えられた.
抄録全体を表示