P. capsiciがキュウリ果を侵かす時, 罹病部に速やかに進展して
P. capsiciと替る細菌はいづれも単独では病原性をもたないが, その組織軟化, 細胞崩壊に対する働きについて検討を加えた.
P. capsiciと細菌の共存する罹病部組織の軟化酵素活性ならびにペクチン分解酵素活性は
P. capsici単独接種の場合と変らず,それぞれの細菌培養液の軟化酵素活性ならびにペクチン分解酵素活性も非常に低いものであった. セルラーゼ活性も低かったので,
P. capsiciの侵入した組織で, これらの細菌が直接組織軟化に寄与するのでなく組織を
P. capsiciのもつ軟化酵素の活性最適pH域に移動させることによって軟化をいちじるしくさせ, それによって細胞死を招き, 自らの増殖を高める形で競合に至るのであろうと考えられた. なお
Erw. carotovoraと
P. capsiciの共存する時の被害のはげしさを示唆する結果を得た.
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