台湾台中市およびその近郊在住の台湾
人について,四つの血球型(ABO,MNSS,P,RH),四つの血清型(Hp,Tf,Gm,Km)および四つの赤血球酵素型(PHs,PGM,6-PGD,ADA)の分布を調べ,その成績を近隣の諸集団のそれと比較検討した。
ABO,MN,Rh式血球型については,
台湾
人,南中国人における中島らの報告と,また酵素型の成績については,日本在住の中国人における豊増のそれと近似した成績が得られた。
総括的にみると,血球型およびHp,Km血清型の遺伝子頻度については,
台湾人と日本人におけるよりも台湾人と台湾
山地の人の間において著しい違いがみられる。逆にGm遺伝子に関しては,
台湾
人では高い頻度でGm1,5がみられ,日本人と著しい対比を示している。
台湾
人のGmパターンは高い頻度でGm1,5をもつことで特徴づけられるが,このことは東南アジアの集団に共通にみられ,この点,むしろ
台湾
山地の人とよく似ている。
血球酵素型については,
台湾人と台湾
山地の人との間のPHSA遺伝子頻度にみられる有意の差を除いて,
台湾
人,日本人及び
台湾
山地の人三者の間には著しい差は認められない。
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