Escheeichia coli O157: H7を食品から分離するために使用されるノボビオシン (20mg/L) 添加変法EC (mEC) 培地のノボビオシン添加方法, 濃度などについて比較検討し, 以下の結論を得た.
1. 10種類のノボビオシン濃度のmEC培地における
E.coli O157: H7の発育を6株の純培養菌を10cfuレベルおよび10
5cfuレベルで接種した場合の42℃, 18時間培養後に比較した結果,
E.coli O157: H7の純培養菌を10cfuレベルで接種した場合, mEC培地にノボビオシン25mg/Lの割合で後添加した培地と25nmEC培地で, 発育が抑制された菌株があった.
2. 4種類のノボビオシン加mEC培地について食品検体からの
E.coli O157: II7の回収性を直接塗抹法と免疫磁気ビーズ法を用いて比較した.その結果,
E.coliO157: H7を接種 (0.1~23.2cfu/gまたはm
l) した食品18検体からの回収実験で免疫磁気ビーズ法を用いたとき, 20nmEC培地では18検体 (100%), mEC+20n培地では16検体 (89%), 25nmEC.A培地では15検体 (83%), 25n mEC-B培地では16検体 (89%) から
E. coli O157: H7を回収できた.
3. 20n mEC培地を40℃, 30℃, 室温, 10℃, および4℃ で3年間保管し培地の安定性を確認した成績では, 3年間保管培地の性能は,
Proteus mirabilisに対する抑制性が劣化したものの,
E.coli O157: H7に対する発育支持能およびグラム陽性菌ならびに
Serratia marcescensに対する抑制性は良好であった.また, 20nmEC培地のpHおよび乾燥減量の大きな変化は室温以下の保管条件では認められなかった.
以上のことから, 20nmEC培地はmEC+20n培地と比べて, 他菌種に対する抑制性が若干劣るものの抑制性はmEC培地より強いことを認めた.
なお, 本報の要旨の一部は第22回日本食品微生物学会・学術総会 (2001年10月, 大阪市) において発表した.
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