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クエリ検索: "吉田裕一"
267件中 1-20の結果を表示しています
  • 金城 朱理, 花田 惇史, 吉田 裕一, 後藤 丹十郎, 安場 健一郎, 田中 義行
    園芸学研究
    2018年 17 巻 3 号 319-325
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/09/30
    ジャーナル フリー

    イチゴの育苗において,35穴トレイ(条間6.5 cm × 列間6.5 cm,培地量130 mL)を用いた挿し苗育苗は,9 cmポット(培地量360 mL)や24穴トレイ(条間8.5 cm × 列8.0 cm,培地量175 mL)の苗と比較して必要な培地量,育苗面積ともに少なく,取り扱いも容易なため,育苗や定植作業に加えて,間欠冷蔵などの花芽分化促進処理も効率的に実施可能である.しかし,9 cmポットや24穴トレイの苗と比較して花芽分化が遅くなりがちで,間欠冷蔵処理期間中の気象条件や苗の栽培条件によって処理効果が劣る場合がある.本実験ではイチゴ‘女峰’を供試し,35穴トレイを用い,育苗期のスペーシング(1トレイ当たり17, 25, 35株植え,それぞれ栽植密度50%区,70%区,100%区)が間欠冷蔵処理による開花促進効果に及ぼす影響について検討した.50%区および70%区の苗に比べて,栽植密度の高い100%区の苗では,葉柄長が有意に長く,個体当たりの根中糖含有量が少なかった.それぞれの苗をトレイに35株ずつ並べて間欠冷蔵処理(3日間の自然条件をはさんだ3日間暗黒15°C冷蔵を2回,計9日間)を行ったところ,50%区では安定した開花促進効果が得られたが,100%区では,早期処理ほど著しく開花が遅れる株が多くなった.これらのことから,育苗期中盤にスペーシングを行うことで,処理の前進化や効果の安定化が可能になると考えられた.

  • 稲角 大地, 吉田 裕一, 後藤 丹十郎, 村上 賢治
    園芸学研究
    2013年 12 巻 3 号 273-279
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/09/30
    ジャーナル フリー
    イチゴ‘女峰’を用いて,高CO2濃度条件下(日中800~2,500 ppm)での栽培における培養液濃度と摘果の影響について検討した.培養液は大塚A処方を30~50%濃度で適宜変更する慣行区を標準として,濃度をその1.2倍,0.8倍とする高濃度区,低濃度区の3水準,摘果処理として,頂果房の着果数11果または7果と1次腋果房以降の全果房の着果数7果または5果のそれぞれ2水準を組み合わせて計12処理区を設けた.低濃度培養液処理区では12月および1月に養分の不足から生育が抑制され果実がやや小さくなったが,培養液濃度間で収量に有意な差は認められなかった.ただし果実の可溶性固形物濃度は高濃度区が他の2処理区より低くなった.低濃度区の養分吸収量は1月下旬までは標準濃度区より少なかったが,2月以降は標準濃度区とほぼ同じであった.従って,供給する培養液の濃度は排液のECが約50 mS・m1となるように適宜変更することが望ましいと考えられる.摘果処理区間で比較すると,総収量は,着果数の多い頂果房11果―腋果房7果区が最も多く,平均果実重は着果数の少ない7果―5果区が最も大きくなった.頂果房の着果負担が大きいと1~2次腋果房の果実が小さくなったことから,平均果実重の低下には下位の小さな果実の増加だけでなく,前の果房の着果負担による果実の肥大抑制も影響したと考えられる.また,果実の可溶性固形物濃度は,着果数の少ない腋果房5果区が7果区より有意に高くなり,収穫期間を通じた摘果によって果実肥大が促進されると同時に品質が向上することが明らかになった.
  • 吉田 裕一, 花岡 俊弘, 日高 啓
    園芸学研究
    2002年 1 巻 3 号 199-204
    発行日: 2002年
    公開日: 2007/11/30
    ジャーナル フリー
    ピートモスとRW細粒綿を3:1に混合した培地を用いてイチゴ‘女峰’の養分吸収と生育,収量に及ぼす培養液組成の影響について検討した.CO2施用条件下ではNに対するP,Kの吸収比率が高まることから,標準培養液(N: 8.85,P: 0.85,K: 3.90,Ca: 2.05,Mg: 0.93 mM)にKH2PO4を添加したところ,P,Kの吸収量が増加し,葉身中P濃度は高くなった.しかし,K濃度にはほとんど変化がなかった.微量要素および標準培養液の約50%のCaとMgを含む複合液肥(N: 8.83,P: 0.94,K: 3.04,Ca: 0.89,Mg: 0.44 mM)では,CaとMgのみかけの吸収量はそれぞれ標準培養液の約50%となった.しかし,葉身中濃度には差が認められず,欠乏症状の発生もみられなかった.いずれの培養液を施用した場合でも生育,収量はほぼ同等であったことから,緩衝能の高いピートモスを主体とする培地でイチゴを栽培する場合には,必ずしも吸収に見合った組成の培養液を施用する必要はなく,簡便な処方の複合液肥が利用可能と考えられた.
  • 吉田 裕一, 宮田 英幸, 後藤 丹十郎
    園芸学研究
    2003年 2 巻 3 号 171-174
    発行日: 2003年
    公開日: 2008/02/19
    ジャーナル フリー
    培養液に使用可能な原水中塩濃度の限界を明らかにするため,イチゴ‘女峰’をピートバッグ(28 × 80 cm,培地量18 liter,8株植え)で栽培し,水道水(EC15 mS/m; Na, 0.35; Cl, 0.29 mM)で作成した培養液へのNaCl添加がイチゴの生育,収量に及ぼす影響について検討した.NaCl (0, 4, 8, 12 mM)以外の基本培養液濃度(NO3-N, 8; NH4-N, 0.85; P, 0.85; K, 3.8; Ca, 2.05; Mg, 0.93 mM)は,季節に応じて50~100%の間で変化させた.葉柄中のNaとClの濃度は,NaCl濃度が高くなるほど高くなった.果実の糖濃度と滴定酸度は,対照区が最も高かったが,NaCl濃度による差は認められなかった.12 mM区では各花房1番花のガクにチップバーンが多発し,平均果実重と総収量が他の3処理区より低くなった.8 mM区でも,チップバーン発生が増加する傾向にあったが,総収量は対照区とほぼ同等であったことから,NaClやその他のイオンを含む場合であっても,原水のECが8 mM区に相当する100mS/m程度までであれば,ピートバッグでイチゴ栽培に利用できる可能性が高いと考えられる.
  • 吉田 裕一, 時實 充洋, 藤目 幸鑛, 中條 利明
    園芸学会雑誌
    1991年 60 巻 3 号 619-625
    発行日: 1991年
    公開日: 2008/05/15
    ジャーナル フリー
    イチゴ'愛ベリー', '宝交早生', '麗紅', 'とよのか', '女峰'の5品種を用いて, 花床上での雌ずいの分化ならびに発育と開花時の雌ずい形質について調査し, '愛ベリー'の奇形果発生要因について検討した.
    1.'愛ベリー'は花床上の雌ずい列数が多く, 雌ずい分化開始から終了までの期間が他の4品種より長かった. しかし, 雌ずいの分化速度は'宝交早生'以外の3品種より速かったことから, '愛ベリー'は雌ずい列数が多いために, 花床頂部と基部の雌ずいの分化時期の差が大きくなると考えられる.
    2.'愛ベリー'では他の品種と異なり, 花床頂部の雌ずいは基部の雌ずいより生長が遅いため, 開花時の花床頂部と基部の雌ずいの子房幅の差が大きくなる. さらに, 花床頂部の雌ずいが分化してから開花までの期間が他の品種よりも短く, 未発育のまま開花するため,花床頂部に不稔種子を伴う奇形果が形成されると考えられる.
    3.'宝交早生'は, 雌ずい分化開始から終了までの期間は短かったが, 基部の雌ずいの生長速度が5品種中最も速く, 花床頂部と基部の雌ずいの子房幅の差が比較的大きかった.
    4.'麗紅', 'とよのか', '女峰'の3品種では, 花床頂部の雌ずいは基部の雌ずいより生長が速く, 開花時の雌ずいの子房幅の差は小さかった.
  • 大山 光男, 吉田 裕一, Tran Duy Vinh, 田中 義行, 安場 健一郎, 後藤 丹十郎
    園芸学研究
    2016年 15 巻 2 号 189-196
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/06/30
    ジャーナル フリー
    大玉の普通トマト品種と比較して,尻腐れ果が発生しにくい中玉トマト‘シンディスイート’を用いて栽培季節と低Ca栄養が尻腐れ果発生と果実中の水溶性Ca濃度に及ぼす影響を調査した.春作,秋作ともに園試処方区に比べて低Ca濃度の培養液を施用した,1/4Ca区,1/8Ca区で尻腐れ果発生率が高く,秋作に比べて春作でより高かった.果実先端部の水溶性Ca濃度と尻腐れ果発生率との間で有意な負の相関が認められ,果実先端部の水溶性Ca濃度は秋作に比べて春作では大幅に低かった.果実先端部の水溶性Ca濃度が0.2 μmol・g−1FW以下になると尻腐れ果の発生が急増したが,この値は著者らが大玉トマト‘ハウス桃太郎’を用いて行った以前の実験で得られた値とほぼ同じであった.秋作に比べて気温が高く日射も強い春作では果実の肥大速度が約3倍であった.果実の肥大速度と果実先端部の水溶性Ca濃度との間に有意な負の相関が認められたことから,果実が活発に肥大する条件下では,果実のCa要求が増加すると同時に希釈効果によって果実先端部の水溶性Ca濃度が低下して尻腐れ果発生への感受性が高くなると考えられた.
  • 山口 訓史, 後藤 丹十郎, 大谷 翔子, 安場 健一郎, 田中 義行, 吉田 裕一
    園芸学研究
    2015年 14 巻 3 号 261-266
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/09/30
    ジャーナル フリー
    生育段階の異なるシュートに対する温度条件がシュッコンカスミソウ‘アルタイル’の形態異常花序発生に及ぼす影響を検討した.シュート長20 cmから2週間15°Cに加温することで,8週間15°Cに加温した場合と同様に,形態異常花序発生が軽減された.2週間加温した個体の切り花長と切り花重は,8週間加温した個体よりも大きくなった.形態異常花序が発生するシュート長と頂芽における花芽分化段階との関係を調べたところ,頂芽のステージが栄養成長からがく片形成期に当たるシュート長が約1~20 cmから15日間の15°C加温で最も形態異常花序が抑制できた.形態異常花序に及ぼす低温の影響を明確にするため,異なる生育段階に対する低温遭遇(7°C)が形態異常花序発生に及ぼす影響を調査した.異なる生育段階に高温(15°C)に遭遇させた実験と同様に,頂芽のステージが栄養成長からがく片形成期までの低温遭遇が形態異常花序発生に大きく関与していた.以上のことから,摘心直後からがく片形成期の期間,株を低温に遭遇させないように温度管理することで,形態異常花序の発生を抑制でき,切り花形質も改善できると考えられた.
  • 矢野 孝喜, 山中 良祐, 川嶋 浩樹, 山崎 敬亮, 吉田 裕一
    園芸学研究
    2022年 21 巻 3 号 307-313
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/09/30
    ジャーナル フリー

    イチゴ促成栽培向けの新しい花芽分化促進技術である間欠冷蔵処理の開花促進効果の安定化を図るために,自然条件下での花芽分化が遅いとされる ‘さちのか’ と,比較的早いとされる ‘とちおとめ’ および ‘さぬき姫’ を用いて,自然条件下で生育させる非冷蔵処理期間の温度条件が頂花房の開花期に及ぼす影響について検討した.その結果,非冷蔵処理期間の高温による開花遅延の影響は品種によって異なり,‘さちのか’ が最も大きく,次いで ‘とちおとめ’,‘さぬき姫’ は ‘とちおとめ’ と同等かそれ以下であった.いずれの品種も冷蔵処理開始前3日間を含む非冷蔵処理期間の日平均気温が26°Cより高い場合に,頂花房第1花の平均開花日が遅れる傾向がみられた.特に ‘さちのか’ では,非冷蔵処理期間の昼温30~34°C,夜温22~26°Cの範囲において,夜温が高いほど開花が遅れる傾向があった.また,いずれの品種においても,冷蔵処理開始前3日間から定植までの非冷蔵処理期間のいずれか1回に高温遭遇した場合には,遭遇時期の影響はなく処理効果も低下しなかった.

  • 吉田 裕一, 藤目 幸擴, 中條 利明
    園芸学会雑誌
    1991年 60 巻 3 号 575-581
    発行日: 1991年
    公開日: 2008/05/15
    ジャーナル フリー
    大果系イチゴ (Fragaria×ananassa Duch.) '愛ベリー'の花器および果実の発育に対する温度の影響 (15°, 20°,25°C一定, 25°/15°C=6:00~18:00/18:00~6:00,無加温ガラス室)について検討した.
    1.雄ずい分化期までは温度処理区間の花芽発育段階の差はわずかであったが,雌ずい分化期以後の花芽の発育は高温で促進され,特に雌ずいの発育が早かった.
    2. 15°Cでは,花床上に形成される雌ずい列数が増加し,花床頂部と基部の雌ずいの発育段階の差が大きくなり,奇形果が多発した.雌ずい分化終了期以後平均気温15°C以下で経過した対照区は,開花期が遅く花芽の発育は抑制されたが,開花期における雌ずいの発育段階の差は小さく,奇形果の発生は15°C区より少なかった.
    3. 奇形果発生は20°C区, 25°/15°C区が少なかったが,果実重が小さかった.
    以上のことから,平均気温を15°Cより高く維持することが奇形果発生防止のために有効であると考えられる.
  • 星 岳彦
    農業情報研究
    2021年 30 巻 3 号 121-130
    発行日: 2021/10/01
    公開日: 2021/10/01
    ジャーナル フリー

    イチゴ栽培における収穫・管理作業軽減のために実用化した養液栽培による高設栽培は,従来の土壌栽培と比較し,架台で空中に栽培ベッドが隔離され,栽培ベッドとの物質収支を正確に把握できる利点がある.本研究では,オープンソースハードウェアCPU基板を用いた低コストユビキタス環境制御システムプラットフォームを使った低コスト高設栽培ベッド用培養液管理システムを開発した.本システムは,1セット約6万円で製作できた.自作化・低コスト化が進む高設栽培ベッドに見合ったコストで,供給・排出する培養液量・導電率をオンライン計測できた.さらに,精密な培養液管理による高度生産が実現可能な養水分吸収の見える化を達成した.約2年間の栽培試験を実施し,より精密・高度な培養液管理の達成に向けた知見が得られた.さらに,本システムをオープンソース化し,自作も可能にした.日本のイチゴ生産を支えてきた各地の中小規模施設に導入可能なICTによるDIYスマート化の提案ができたと考える.

  • 吉田 裕一, 藤目 幸擴, 中條 利明
    園芸学会雑誌
    1992年 60 巻 4 号 869-879
    発行日: 1992年
    公開日: 2008/05/15
    ジャーナル フリー
    大果系イチゴ(Fragaria×ananassa Duch.)'愛ベリー'の花器,特に雌ずいの分化,発育と奇形果発生に対する窒素施与量(0,21,42,84,126mg-N/株•週)と施与開始時期(10月1,11,21,31日,11月10,20日:84mg.N/株•週)の影響について調査した.
    1.花芽発育段階の進行と1番花原基の直径の増加速度は,窒素施与量が21mg以上の処理区間に差は認められなかったが,0mg区ではきわめて遅かった.花芽形成開始後,窒素施与開始時期が早いほど,花床上で分化する雌ずい列数が増加し,花床基部の雌ずいと頂部の雌ずいとの分化時期の違いが大きくなった.その結果,開花時における花床頂部の子房幅,頂部と基部の子房幅の比(T/B比)は小さくなり,果実先端部に不稔種子を伴う奇形果が多発した.
    2.雌ずい分化初期(11月10日)を過ぎれば,多窒素施与の影響は特に小さく,雌ずい列数,T/B比は小さくなった.また,がく片分化期以後(10月21,31日)に窒素施与を開始した場合,奇形果発生は抑制されたことから,雄ずい分化期頃までの多窒素施肥が奇形果発生に強く影響すると考えられる.
    3.受精後の雌ずいの発育には光合成産物の競合も影響していると考えられるが,花床基部と頂部の雌ずいの分化時期の差が大きいことが多窒素施与区における奇形果発生の最も大きな原因であると考えられる.奇形果発生を抑制するためには,この分化時期の差を小さくするために,花芽発育期,特に雄ずい分化期頃までの葉柄中硝酸態窒素濃度を0.10~0.15%(乾物当たり)に制御することが望ましいと考えられる.
    謝辞本論文の作成に当たり,御指導,御助言を賜った元京都大学教授藤本幸平博士に深く感謝致します.
  • 第36巻 (1998)
    生物環境調節
    1998年 36 巻 4 号 267-271
    発行日: 1998/12/31
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
  • '愛ベリー'の開花・結実に及ぼす施肥条件と定植時期の影響
    垣渕 和正, 吉田 裕一, 内田 徹, 藤目 幸擴
    植物工場学会誌
    1994年 6 巻 4 号 247-253
    発行日: 1994/12/01
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    The effects planting time (A : At 2 weeks before starting of short-day treatment, B : At the starting of short-day treatment, C : At the end of short-day treatment), and starting time of nutrient supply (1 : At 2 weeks before starting of short-day treatment, 2 : At the starting of short-day treatment, 3 : At the end of short-day treatment) on flowering and yield in strawberry cv. 'Ai-berry', were investigated.
    In the plots which were planted 2 weeks before short-day (SD) treatment (treatment A), almost plants flowered on every starting time of nutrient supply, but early nutrient supply delayed flowering. In B3 and C3 plots. flowering were delayed, and the rate of flowering were about 80% by treatment B3 and C3. Flowering was inhibited in B2 treatment.
    The earlier nutrient supply to the plant that grown 2 weeks before flower induction (10 hour day-length), the yield was more increased.
    Vegetative buds were often aborted in A3 and B3 plots, because of the concentration of NO3- of the petiole was low during flower induction.
    Thus, planting before flower induction and supplying nutrients through-out the cultivation should be suitable for strawberry production in plant factory.
  • 竹﨑 あかね, 吉田 裕一, 藤井 寛也, 藤野 雅丈, 桝田 正治
    園芸学研究
    2003年 2 巻 2 号 89-92
    発行日: 2003年
    公開日: 2008/01/22
    ジャーナル フリー
    培地の乾燥処理にともなうトルコギキョウ(Eustoma grandiflorum (Raf.) Shinn. ‘つくしの雪’)のロゼット化と日中の葉温上昇との関係について検討した.高温条件下(27-33℃)におけるロゼット株率は,土壌含水率を常に40%以上に保った対照区では0%となったのに対して,土壌含水率25%をかん水点として9週間管理した乾燥区では70%と高い値を示した.また,より高い温度条件下(29-35℃)ではわずか1週間の乾燥処理でもロゼット株率が高くなった.対照区の葉温と培地温は気温(30℃)とほぼ同じであったが,強日射時には乾燥区の葉温と培地温は約45℃に達した.以上の結果から,培地の乾燥によって生じる水ストレスは,強日射条件下で高温感応部位を含む植物体温を高めることによって高温条件下におけるトルコギキョウのロゼット化を助長するものと考えられた.
  • 高倉 保幸
    日本がん・リンパ浮腫理学療法学会誌
    2024年 1 巻 1-4
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/03/06
    ジャーナル フリー
  • 吉田 裕一, 大井 美知男, 藤本 幸平
    園芸学会雑誌
    1991年 59 巻 4 号 727-735
    発行日: 1991年
    公開日: 2007/07/05
    ジャーナル フリー
    大果系イチゴ (Fragaria×ananassa L.)‘愛ベリー’について, 元肥窒素施肥量 (0,10kg/10a) と苗質が収量構成と果実の奇形果発生に及ぼす影響について検討した. 育苗方法はポット育苗 (標高1200, 20m) と無仮植育苗 (苗床窒素量: 0, 6kg/10a) とし, 無仮植育苗区については着地発根時期の異なる2種類の苗 (7月下旬, 8月下旬) を供試し, 合計6種の苗を用いた.
    多窒素施肥 (10kg/10a) によって頂花房の開花期は早くなり, 花数は増加した. しかし, 小果 (20g未満) の割合が増加し, 正常な大果収量と総収量は低下した. ポット苗と無仮植育苗の大苗 (7月下旬発根) では頂花房花数が多く, 小果の割合が高かった. 無仮植育苗の小苗 (8月下旬発根) では正常な大果 (30g以上) 収量が多く, 窒素施肥の影響も小さかった.
    頂花房の花数と30g以上の果実収量, 正常果収量との間に強い負の相関が認められ, 頂花房花数を少なくする条件, すなわち, 生育初期の低窒素栄養, 小苗定植によって正常な大果収量が増加した.
  • 吉田 裕一, 鈴田 恵, 藤目 幸擴, 中條 利明
    園芸学会雑誌
    1991年 60 巻 2 号 353-359
    発行日: 1991年
    公開日: 2008/05/15
    ジャーナル フリー
    6品種のイチゴ (Fragaria×ananassa Duch. '愛ベリー', '宝交早生', '麗紅', 'とよのか', '女峰', '盛岡16号') の花器, 特に雌ずいの発育様相と果実発育について検討した.
    1.雌ずい列数は'愛ベリー'が最も多く, 他の5品種間には大きな差が認められなかった. 花床頂部の雌ずいの子房も'愛ベリー'の上位花が小さく, '宝交早生'が次に小さかったが, 他の4品種では比較的大きかった.花床頂部と基部の雌ずいの子房幅の比 (T/B比) は'愛ベリー'が特に小さかった. 果実先端部の種子不稔による奇形果の発生と雌ずい列数, 頂部子房幅, T/B比との間に強い相関があった.
    2.'愛ベリー'では雌ずい列数と頂部子房幅との間に高い負の相関があり, 花粉親である'宝交早生'にも有意な負の相関が認められた. このことから, '愛ベリー'でみられる花床頂部と基部の雌ずいの間の大きな発育差は, 花粉親である'宝交早生'に由来すると考えられる.
  • 大山 光男, 吉田 裕一, Tran Duy Vinh, 田中 義行, 安場 健一郎, 後藤 丹十郎
    園芸学研究
    2017年 16 巻 3 号 279-286
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/09/30
    ジャーナル フリー

    秋作において補光で明期を約16時間に延長することにより長日条件がトマト果実中の水溶性Ca濃度と尻腐れの発生に及ぼす影響を調査した.中玉トマト ‘シンディスイート’を用い,園試処方のCa/K比のみを変更した低Ca濃度(1/4Ca, 1/8Ca)培養液を給液した.400 Wメタルハライドランプ2灯により草冠で60~168 μmol・m–2・s–1(PPFD)の範囲で補光を行った結果,非補光区に比べて補光区で尻腐れ果の割合が顕著に増加し,正常果率は低下した.果実中の水溶性Ca濃度と全Ca濃度はいずれも補光により低下した.果実の肥大速度に補光の有無による差異は認められなかったが,葉の気孔コンダクタンスと補光強度との間には正の相関関係が確認された.つまり,日没後も補光期間中は葉からの蒸散が継続し,木部導管を通じた果実へのCa転流が抑制されたと考えられる.以上のことから,晩春から盛夏期には,高温と強日射による果実肥大速度の上昇とCa要求量増大に加えて短い暗期が木部導管流による果実へのCa転流を抑制することも尻腐れ果発生率を高める大きな要因の一つと考えられた.

  • 桝田 正治, 荻野 知子, 村上 賢治, 吉田 裕一, 向阪 信一
    植物工場学会誌
    2002年 14 巻 3 号 147-151
    発行日: 2002/09/01
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    蛍光灯連続光下でのピーマンの長期栽培の最適条件を明らかにする研究の一環として, 24時間を単位とした時の着果と肥大に及ぼす4時間暗期挿入の影響を調査した.
    ピーマン'京みどり'を蛍光灯連続光 (光強度150μmolm-2s-1) で育苗し, 光強度150~350μmol m-2s-1, 温度27℃, CO2濃度800ppmに設定した人工気象室内のロックウールに定植した.第1番花開花時から約2か月毎に第I期から第V期までに分け, 連続光区と4時間暗期挿入区を交互に設定し, 10か月栽培を行った.また, 蛍光灯連続光下で育苗した苗をガラス室に設置したロックウールに定植し自然光下の果実品質を人工光下のそれと比較した.
    2か月毎の累積収穫果数は生育が進むにつれて増加した.暗期を挿入した第II期, 第IV期ともに収量はそれらの前後に設定した24時間連続光区での収量の増加パターンと比べ大きな変動は示さなかった.果実の尻腐れ率は連続光の第1期で25%と高かったが, その後はほとんど発生しなかった.残存培養液のpHは連続光, 暗期挿入に関係なく6.0~7.8の間で推移した.ECも連続光, 暗期挿入に関係なく, 生育前期には低下傾向を示し, 生育後期には上昇傾向を示した.このECに対応して硝酸態窒素, カリウム, カルシウム, マグネシウムの濃度は生育前期には低く推移し生育後期には徐々に上昇した.しかし, カリウム濃度は常に減少した.リン濃度はpH調整 (pH5.6) に用いた正リン酸にも影響され, 生育期間を通して当初の設定値近い濃度で推移した.
    人工光下で栽培した果実はクロロフィル含量, カロチノイド含量ともに自然光下で栽培した果実の2倍を示した.24時間連続光で栽培した果実と4時間暗期挿入で栽培した果実間に違いはなかった.
    以上の結果より, ピーマン'京みどり'は4時間の暗期を挿入しても果実収量の減少をきたさないものと考えられ, 果実の色素含量, つやなどにも影響が出なかったことから, 4時間暗期の挿入は投入エネルギーの低減に貢献できるものといえる.
  • 吉田 裕一, 後藤 丹十郎, 中條 利明, 藤目 幸擴
    園芸学会雑誌
    1991年 60 巻 2 号 345-351
    発行日: 1991年
    公開日: 2008/05/15
    ジャーナル フリー
    イチゴ (Fragaria×ananassa Duch.) '愛ベリー'と'女峰'を用いて雌ずいの受精能力と形態の開花後の変化について検討した. '愛ベリー'の1番花では開花時において花床頂部の雌ずいは小さく未成熟であり, 受精能力を持たなかった. また, 開花10日後においても受精能力を持たない場合があった. 一方, '愛ベリー'の5番花や'女峰'では花床基部と頂部の雌ずいの発育差は小さく,頂部の雌ずいは開花直後から受精可能であった.
    受粉時期を遅らせると, '愛ベリー'1番果の花床頂部の不稔種子は減少した. しかし, 花床基部の雌ずいの受精能力は開花4日後には低下し始め, 開花4日後以降に受粉した場合, 花床基部の種子が不稔となり, 花床基部が肥大不良となった.
    以上のように, 受粉時期と期間を調節することによっで'愛ベリー'の奇形果発生は軽減される. しかし, 開花時において花床頂部と基部の雌ずいの発育差の大きい花については, 奇形果発生を完全に防止することは難しく, 花器発育段階においてその発育差を小さくする栽培技術に関する検討が必要であると考えられる.
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