【要旨】1998年1月に心臓血管外科が新設され,体外循環業務が必要となった。業務は,安全性を主眼に置き,回路構成,業務手順などにおいて複雑なものとならないようにし,コストを抑えることも目標とした。1998年1月より1998年12月までに人工心肺を用いて行われた開心術,および人工血管置換術を施行した体外循環症例は154例となった。内訳は,CABG109例,弁置換16例,CABG+弁置換6例,ASD閉鎖術6例,大血管置換6例,その他11例であり,その内緊急手術は38件であった。この1年間は症例が比較的多かったこと,心臓手術に精通した麻酔科医の適切なアドバイスを受けられたことが,短期間のうちに技術を習得できた要因となったと考えられる。また,当施設においては,比較的緊急手術の割合が高く,緊急呼び出しの回数も多かったので,複数名の体外循環技士の養成はマンパワー,勤務計画上などにおいても,大きな意義があったと考えられる。
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