本研究は,利用者からみた地下鉄構内の快適性についての心理評価法に関するものである.心理評価は,
名古屋市営地下鉄
の乗り換えのある9駅の構内を研究対象に選び,調査をした.その結果,4つの因子が抽出された.第1因子は,情報の伝達性,第2因子は,快適感,第3因子は,不安感,第4因子は,利便性である.さらに研究参加者の地下鉄利用頻度と年齢が,これらの因子にどのようなかかわり合いがあるか,共分散構造分析を施した.それによると,第1因子は,研究参加者の地下鉄利用頻度と関係し,利用頻度が多ければ情報の伝達性が高い.また加齢の効果は,第1因子と第4因子と関係し,年をとると情報の伝達性が悪くなり,利便性,たとえばエレベーターやエスカレーターに頼ると解された.
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