対話システム技術を様々な社会課題の解決に役立てるためには、社会課題解決の専門家と対話システムの専門家による異分野連携が必要である。この連携を容易にするためには、プログラミング経験のない社会課題解決の専門家でも対話システムが構築できるようにすること有効である。本発表では、プログラムを書かずにマルチモーダル対話システムを構築することを可能にするツール、D4ACについて述べる。D4ACをxAIML-SUNABAのようなテキスト対話システム構築ツールと共に用いることで、ユーザの顔画像から得られる年齢・性別・感情・対話参加度の情報を用いて対話フローを変更できるマルチモーダル対話システムを構築できる。D4ACは、技術知識なしでインストール・起動・設定の変更が可能である。本発表では、D4ACを名古屋大学のTMIプログラムの学生プロジェクトで利用してもらった結果に関しても述べる。
委員会活動の活性化に課題を抱えていた公立A中学校において、その活性化を目的として、校内全ての委員会で付せんを用いた活動改善に向けた話合い活動を実施した。この実践は、会の参加者全員に付せんを配付し、全員の意見を表明させたうえで、付せんに書かれた意見をもとに話合う形で進められた。成果として、生徒から出たアイディアが複数の委員会で実践に移された。また、任期の終わりのふり返りでは、具体的な改善策を次の委員に引き継ぐことができた。さらに、委員長会の話合い活動を通して、委員会同士が協働して活動する事例を生むことが出来た。このようなことから本実践により委員会活動の活性化につなげることができたと考えられる。
対話システムは,様々な技術を統合して構築されるため,情報技術教育の題材として有効であると考えられる.しかしながら,既存の対話システム構築フレームワークは,情報技術教育を目的としたものではないため,必ずしも初学者が学習目的で使うのに適しているとは言えない.そこで我々は,拡張性の高いアーキテクチャをもち,可読性の高いコードで書かれた対話システム構築フレームワークDialBBを開発している.DialBBは,ブロックと呼ぶモジュールを組み合わせることで対話システムを構築できるフレームワークである.システム開発者は,DialBB付属のブロックを用いることで簡単にシステムを構築できるが,自作のブロックを用いることで高度なシステムを構築することもできる.DialBBを対話ロボットコンペティション2022用のシステムの構築に利用してもらい,対話システム構築フレームワークとしての有用性を確認した.
すでにアカウントをお持ちの場合 サインインはこちら