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クエリ検索: "噂の女"
10件中 1-10の結果を表示しています
  • 森 年恵
    映像学
    2022年 108 巻 206-225
    発行日: 2022/08/25
    公開日: 2022/09/25
    ジャーナル フリー

    本論は、溝口健二作品の中でまだ十分に考察されていない『

    噂の女
    』(1954年、大映)を、『ジェニイの家』(マルセル・カルネ監督、1936年)のリメイク作品として検討する。本映画は、舞台をパリのナイトクラブから京都島原の廓、井筒屋に移し、母娘と男性の三角関係などの基本プロットを受け継ぐ。ただし、三角関係に娘も恋人も気づかないまま母の元を去る原作と異なり、『
    噂の女
    』はそれに気づいた上での三者の激しい衝突を経て、男性による女性の搾取を認識することで被害者として母娘が連帯するに至る。リメイク過程の詳細な検討から、川口松太郎による小説へのアダプテーションが甘い「母もの」であったことが、製作過程に困難をもたらしたことが見える。女性の搾取という溝口の一貫した主題が導入されたものの、廓の経営者の母娘の和解が搾取への批判を弱くしたことが同時代の低評価となった。しかし、群像を描くカルネの世界を受け継ぎながら、時代を超えた搾取構造の全体を井筒屋の内部に集約したところに本映画の成果を見ることができる。原作の制約の中で新たな表現を生むリメイク映画の創造性の一例と考えられる。

  • (日本映像学会第二回大会研究発表)
    田島 良一
    季刊映像
    1977年 6 巻 24-37,62
    発行日: 1977/06/10
    公開日: 2019/07/10
    ジャーナル フリー

     Critics like Hideo Tsumura, Akira Iwasaki and Jun Izawa suggest that the works of Kenji Mizoguchi have an affinity with the literary works of Kafu Nagai. Kaneto Shindo and Jun-ichiro Tomoda maintain in an article that Mizoguchi was, to some extent, influenced by Kafu Nagai. However, nobody has ever studied their relationship closely. It has been generally understood that Mizoguchi, in producing ‘Naniwa Erezi’ (Osaka Elegy) 1936, imitated ‘Mieko’, a story by Saburo Okada. Later Yoshikata Yoda, one of his closest colleagues, proclaims that Mizoguchi imitated ‘Tsuyu-no Atosaki’, a story by Nagai, as well as ‘Mieko’. Actually we find that a sequence in ‘Gion-no Shimai’ (Sisters of the Gion) 1936, is based on a scene in ‘Tsuyu-no Atosaki’. A close study gives us an evidence that the two works of Mizoguchi are influenced by ‘Tsuyu-no Atosaki’ in terms of their purpose, backgrounds and methods. The style Mizoguchi adopted in creating films did not change for the remaining 20 years until his death in 1956 when his last film, ‘Akasen Chitai’ was presented, which means Mizoguchi was under the influence of Kafu throughout the latter half of his life as a film director.

  • 村山 匡一郎
    映像学
    2002年 69 巻 73-76
    発行日: 2002/11/25
    公開日: 2023/03/31
    ジャーナル フリー
  • 小野 恭靖
    日本歌謡研究
    2014年 54 巻 107-111
    発行日: 2014/12/30
    公開日: 2020/08/05
    ジャーナル フリー
  • ドイツ近世の国制と公法――帝国・ポリツァイ・法学
    松本 尚子
    法制史研究
    1998年 1998 巻 48 号 186-194
    発行日: 1999/03/30
    公開日: 2009/11/16
    ジャーナル フリー
  • 『挽歌』と『女であること』における久我美子
    徐 玉
    映画研究
    2021年 16 巻 4-26
    発行日: 2021/12/04
    公開日: 2022/07/05
    ジャーナル オープンアクセス
    本稿は、久我美子が主演した文芸映画『挽歌』と『女であること』における疑似母娘関係に着目し、原作小説とも比較しながら、〈母性〉を介した女同士の親密な関係の映画的表現の特色を考察した。また、久我美子のスター・ペルソナとこれらの作品の関係を探った。『挽歌』については、怜子という新しい女性像、および怜子のヴォイス・オーヴァーをはじめとする女たちの「声」の分析などを通して、怜子とあき子の親密さが原作以上に強調されていることを検証した。『女であること』については、さかえのセクシュアリティの揺らぎを表現するにあたって、川島雄三の独特な空間がもたらす効果を論じたうえで、映画ではさかえの欲望がつねに市子に向けられていることを指摘した。さらに、『雪夫人絵図』以降の久我のイメージを辿り、『挽歌』と『女であること』において疑似母娘関係が強化されたことが、「特殊児童」という久我のスター・ペルソナと結びついていることを確認した。
  • 竹内 康浩
    英文学研究
    1993年 70 巻 1 号 35-47
    発行日: 1993/09/30
    公開日: 2017/04/10
    ジャーナル フリー
  • 統領時代におけるモニュメント,コンクール,ジャーナリズムの関係について
    戸田 穣
    日本建築学会計画系論文集
    2008年 73 巻 633 号 2521-2526
    発行日: 2008/11/30
    公開日: 2009/10/28
    ジャーナル フリー
    The Concours des colonnes nationale et départementales in 1800 is important in the architectural history in France as the first public competition during the Consulat period (1799-1804). It is also around 1800 that the architectural journalism emerges in France (Journal des arts, founded in 1799 and Journal des bâtiments civils et des arts in 1800). In these occasions, the public opinion is openly manifested at the first time concerning the national monument. This study tries to make clear the relation between the public monument and the public opinion, and to describe the mutation from the style révolutionnaire to the style Empire.
  • 徐 玉
    映像学
    2023年 110 巻 38-58
    発行日: 2023/08/25
    公開日: 2023/09/25
    ジャーナル フリー

    本稿では、木下惠介の大作『香華』をとりあげ、木下研究においてこれまであまり目を向けられてこなかった母娘の関係を考察した。『香華』は有吉佐和子の同名小説の映画化作品であり、欲望のままに生きる母の郁代と、母に翻弄される娘の朋子との愛憎が全編を貫いている。

    まず、郁代という人物に注目し、木下の撮影スタイルの特徴である移動撮影とズームアップの連用が、郁代の「家」からの離脱と結びつけて使用されていることを明らかにした。また、「母性」に関する議論を援用しつつ、郁代が「母もの」映画の「規範的」で「脱性化」された母親像とは異なり、「母性」に束縛されない、特異な母親であることを確認した。続いて、木下の他の作品に見られる母子関係と照らし合わせながら、『香華』における母娘関係の特異性を検討した。回想形式やフラッシュバックを得意とする木下が、有吉佐和子の原作では朋子によって想起される対象である郁代に対して、そうした技法をあえて用いずに、確固とした身体と声を備えた母親として描いていることを指摘した。さらに、朋子の初潮の場面や、防空壕でほのめかされる母娘一体化、特に母娘で同じ墓に入ろうという朋子の意志といった、映画で新たに付け加えられた要素によって、母への愛の忘却を経た娘が母とふたたびつながるという母娘関係が出現し、そこに反家父長的で脱再生産的な側面が潜んでいることを論じた。

  • 1960(昭和35)年以前の『電機』記事ならびに日本映画の生活場面を通して
    林原 泰子
    技術と文明
    2018年 21 巻 e3 号 1-14
    発行日: 2018/05/18
    公開日: 2023/07/10
    ジャーナル フリー
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