2010年度に空調改修を実施した蓄熱式空調システムを対象に、改修時に設置されたBEMSデータを活用して改修後の運用状況の分析を行った。また、

顕熱処理コイルを利用した高温冷水活用による省CO2空調システムの夏期の省エネ性に関してLCEM（ライフサイクルエネルギーマネジメント）ツール（

「建設現場の生産性を飛躍的に向上するための革新的技術の導入・活用に関するプロジェクト（PRISM）」を活用して，2018年度に国土交通省の複数の直轄工事において「生コンの出荷～打込み/品質管理情報を電子化しクラウド上で共有する試行」を行った。この結果，コンクリートの打込み現場の実際の作業において，「電子化された生コン情報」がどのように活用されるか施工の工夫の仕方が明らかとなり，「生コン情報電子化」が現場の生産性とコンクリートの施工品質の双方の向上に効果があることが明らかとなった。本報告が，この手法を今後広く運用していくための議論の材料になることを期待するものである。

LRT（Light Rail Transit）の導入及び効率的運用を促進するため，信用乗車方式の採用が重要であるとの指摘があり，同方式を採用する場合には，不正乗車防止のため，現在，省令で定められている割増運賃の倍率を高く設定すべきとの主張もある．本稿は，この主張を巡る議論が適切に行われるよう，民事上の制裁である割増運賃制度の運用とその限界を示すとともに，割増運賃の倍率の見直しは，省令改正といえども，立法政策論として，多くの難しい論点をはらむ問題であることをわかりやすく説明することを目的とする.

This paper reports 2 erosion control projects under a concept to use natural power of rivers. Riverbank erosion is one of the most troubling problems in the rural area of Vietnam. JICA has been supporting their riverbank management using Japanese river engineering. In 2010, JICA conducted 2 riverbank protection works at Kim Ngoc Village and Thanh Xuyen Village in the central Vietnam. Main structure at former site was bamboo foot protection to prevent scour holes in front of the riverbank. Another was a masonry groin and a submerged guide wall to deflect flood flow away from the riverbank. In 4 years after construction, flood flow had changed to stop erosion and put deposit on the riverbanks. These structural specifications were designed to meet each local conditions, but these are referable for other sites. Finally, this paper shows a basic idea to shift dynamic equilibrium of flood flow and some lessons for sustainability, cost validity, repairability, people’s participation and engineer’s capacity building.

雨水利用施設は日本国内に1937施設あるといわれているが、今後ますます設置数の増加が予想される。これらの施設については設置後、維持管理が十分に実施されているか、またその実態等はほとんど把握されていない。そこで、本研究はこれらの施設に対して、設計の諸元やどのような管理が実施されているのか等のアンケート調査を実施した。その結果、施設の仕様や設計諸元に統一性がみられないこと、各装置の実証の確認が十分行われていないこと、専門的な技術を習得した維持管理技術者が少ないこと、維持管理が十分に行われていないため充実を図らなければならないことが明らかとなった。

　2018年9月にインドネシアの中部スラウェシ州において，発災後数分で到来した津波と人類史上稀に見る液状化による大規模流動（Nalodo）により約4,500名が犠牲となる地震が発生した．当時JICA専門家として同国国家防災庁に派遣されていた筆者は，他のJICA専門家らと共同して，復興マスタープランの策定とそれに基づく復興事業を支援した．その過程で，津波堤防についての科学技術的な説明，液状化による大規模流動の発生メカニズムの解明等を実施した．誠実な態度で取り組んだ結果，その後に発生した大規模洪水への対応をはじめとする防災政策について，同国政府は専ら日本を頼るようになった．日本が信頼を得た理由を分析し，今後の海外支援に向けて提言する．