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クエリ検索: "国民国家"
8,846件中 1-20の結果を表示しています
  • 樽本 英樹
    社会学評論
    2001年 51 巻 4 号 382-397
    発行日: 2001/03/31
    公開日: 2009/10/19
    ジャーナル フリー
    21世紀の国際社会学は, どのような課題を背負わなければならないのか.20世紀末に生じた国際移民をめぐる「諸事件」を概観してわかることは, それら「諸事件」の核心が「
    国民国家
    への挑戦」だということである.そこで, 「
    国民国家
    への挑戦」を解消すること, すなわち
    国民国家
    に代わる市民権の新たなモデルを提示することが, 国際社会学の最重要課題のひとつとなる.「
    国民国家
    への挑戦」は, 「国際移民の増加・多様化」「普遍的人権の台頭」によって引き起こされ,
    国民国家
    は「社会統合への不安」によって擁護されていた.
    国民国家
    モデルに代わりうるものとして現在提唱されている市民権のモデルは, それぞれ
    国民国家
    モデルと抵触する点を持っている.21世紀に存立しうる市民権の新たなモデルは, 出生や血縁によって仮定された「文化」に代わる要因から, 新たな正統性を供給されなくてはならない.現在優位な要因である「居住」が正統性を供給できるか否かを考察するためには, 国際社会学的想像力の獲得が必要とされるであろう.
  • 揺れる「ユダヤ性」の理解をめぐって
    二井 彬緒
    生活大学研究
    2017年 3 巻 1 号 43-58
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/12/21
    ジャーナル フリー
    イスラエル国家を思考することは、ショアーの亡霊を呼び起こし、「
    国民国家
    nation-state」を思考することである。H・アーレントによれば、ショアーとは、近代ヨーロッパ式
    国民国家
    がその発展上の限界点に達した際におこった、「『国民』ならざる存在」の排除である。近代において、「『国民』ならざる者」、すなわちユダヤ人たちは、ある場所(ある国家)に居住しながらも「ホームランド」を喪失した者たちと目され、国家の内部にいながらその構成員にはなり得ない存在、G・アガンベンの言葉を使えば「ホモ・サケルHomo sacer」となったのである。イスラエルとは、そうした歴史の文脈の上で、シオニストたちによってユダヤ人の「ホームランド」として生まれた
    国民国家
    である。
    国民国家
    は、人びとのあいだに「国民」と「『国民』ならざる存在」といった想像上の境界線を引く。それは、個々人がみずからを「国民」として自己同一化するidentifyことであり、これもまた虚構でしかない。しかし、この虚構が強い効力を持つとき、言い換えれば、ナショナリズムが生まれるとき、「『国民』ならざる存在」の排除が起こるのだ。さて、近年、ニュースや新聞、またイスラエルに関する話題が持ち上がるあらゆる場において、「イスラエル批判は反ユダヤ主義である」といったレトリックを見かける。このレトリックは、「ユダヤ人」「イスラエル人」「シオニスト」を、あたかも同義語として見なすような効果を持っている。本稿では、現代思想と
    国民国家
    論の視点から、このレトリックを
    国民国家
    の表象として批判する。その中で、「国民」というアイデンティティという枠から脱し、個々人の生を語ること、そこにどのような可能性が存するのかを論じる。
  • 香港で働く日本人の語りから
    酒井 千絵
    社会学評論
    2000年 51 巻 3 号 314-330
    発行日: 2000/12/30
    公開日: 2009/10/19
    ジャーナル フリー
    本稿では, 1990年代に増加した日本人の香港への移動に関する語りをとおして,
    国民国家
    の境界 (ナショナル・バウンダリー) が人々によって意味を与えられる過程を考察する.人や資本の移動が活発化する現代社会では,
    国民国家
    への問い直しが進行しているが,
    国民国家
    に対して異なる境界を設定することや, 構築主義的な視点から国の境界の蓋然性を批判することだけでは,
    国民国家
    を十全に問い直すことはできない.
    国民国家
    の枠組から距離を取るためには, 人々によって境界が構築される過程に立ち会い, 国や民族の境界とどのような形でかかわり, それを意味あるものとしているのかを考える必要がある.このような問題意識から, 国際移動の経験を対象とし, その一例として香港で働く日本人の語りを分析する.これらの分析をとおして考察された点は以下の2点である.第1に, 日本 (人) および香港の境界は, グローバル化や多文化的状況のなかに位置づけられ, 構築されていること.第2に, 日本 (人) の境界は実際の生活のなかで多義的な意味を与えられており, 当事者は, 日本の境界に対し, これを利用してゆくという側面を読み込むことによって, その多義的な境界に主体的にかかわっていること.
    移動に端的に見られるような境界との日常的な交渉過程は, 単に国際移動の現代的なあり方を明らかにするだけではない.移動を可能にする空間のなかで人々が境界を再/脱構築する過程をとおして, 従来の
    国民国家
    の前提を越えることができるのである.
  • 井上 寛
    理論と方法
    1990年 5 巻 2 号 2_21-2_36
    発行日: 1990/11/01
    公開日: 2009/03/31
    ジャーナル フリー
     本稿の目的は、エスニシティ現象をめぐって、いくらかの一般化された理論の可能性をさぐることである。まずエスニシティの概念について整理し、それを文化と人権と出自の客観的属性の共有あるいはそのような属性の主権的な共有の信念であるとする。ついでこのエスニシティの活性化の原因とエスニック集団の主体形成を、文化の利害と経済・社会の利害の剥奪とその克服の過程に求める。ついで、このエスニシティ現象の意義を
    国民国家
    のあり方の変化の観点から論じる。まず、
    国民国家
    の概要を吟味し、ついでエスニシティの効果を見る。多文化主義や地域主義に、また近代の価値たとえば個人主義や業績主義を制約するかのような政策に、近代社会あるいは
    国民国家
    に対する修正を見いだす。しかし、他方でエスニック運動そのものが、近代の自由や平等を主張するリベラリズムの価値の履行という側面をもつこと、また自立する地域の連邦主義的な統合や民族の再統合を目の当たりにすること、これから現代の少なくない数の社会は
    国民国家
    のエトスを強め、
    国民国家
    の実現を目指していることを明らかにする。
  • 吉田 正生
    社会科研究
    2018年 88 巻 1-12
    発行日: 2018/03/31
    公開日: 2020/04/01
    ジャーナル フリー

     本論は,明治期の

    国民国家
    形成について,生徒の認識を拡大・深化できる「授業書」(中学校社会科歴史用)を開発することをねらいとしている。ここでいう認識の拡大とは,文化,なかんずく音楽・美術を
    国民国家
    の形成と結びつけて見ることのできる視点を習得することである。また認識の深化とは,明治政府が音楽・美術政策を積極的に進めた理由を説明できるようになることを意味している。

     これまで,

    国民国家
    の形成については,政治・軍事・経済,そして文明開化といった社会面の変化から教えられてきた。このとき“芸術も
    国民国家
    形成の重要な契機であった”という視点の育成は,欠落していたのである。例えば,「日本画」が
    国民国家
    形成のなかで創出されたものだということを指摘している中学校社会科歴史教科書は,皆無である。だが「日本画」は昔からあったものではない。明治になってから
    国民国家
    形成の動きのなかで創り出されたものである。こうした視点を欠落させたまま明治期の文化について教えると,フェノロサや岡倉天心は「偉人」としてのみ思念されてしまい,彼らがある社会的地位にあり,その社会的役割を果たしたという側面が認識されることなく学習が終わってしまう。 また,文化が政治と切り離され,文化学習が作家と作品,そしてその特徴を覚えるだけのものになってしまうのである。

     本論は,そうした状況を改め,生徒の「

    国民国家
    」形成についての認識をより多面的なものにする「授業書」案を示そうとした。

  • ジャマイカ、ラスタファーライの帰還要求運動をめぐる一考察
    神本 秀爾
    日本文化人類学会研究大会発表要旨集
    2011年 2011 巻 H02
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/05/20
    会議録・要旨集 フリー
     本報告では、ジャマイカのラスタファーライのアフリカ性礼賛とアフリカ帰還要求運動をめぐる論理(ザイオニズム)とその実践を考察対象とする。  ザイオニズムの論理は汎アフリカ主義的、普遍主義的なものであり、その論理は必ずしも
    国民国家
    の論理とは一致しない。本報告では、ラスタファーライの目から見た
    国民国家
    ジャマイカのひとつの姿を提示するとともに、今後の課題を提示する。
  • 国民国家の道化が表象する近代と伝統の両義性
    横田 吉昭
    日本文化人類学会研究大会発表要旨集
    2011年 2011 巻 J14
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/05/20
    会議録・要旨集 フリー
    1923年独立後の
    国民国家
    形成期のトルコ共和国では、西洋近代文化の一つとして導入された漫画に、1930年代から40年代にかけて二人の太ったキャラクターが描かれ大衆の人気を得た。これらは道化性の相違により、近代的国民の姿と、伝統的な性意識という両義性を表象するものであった。
    国民国家
    形成期の文化的コンテクストが、道化的身体を持つ漫画キャラクターの受容のされ方に作用したと考えられる。
  • 鍋谷 郁太郎
    現代史研究
    2016年 62 巻 25-31
    発行日: 2016/12/02
    公開日: 2019/08/10
    ジャーナル フリー
  • 1930年代の美濃ミッション事件を事例として
    *麻生 将
    人文地理学会大会 研究発表要旨
    2013年 2013 巻
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/02/24
    会議録・要旨集 フリー
    本発表では美濃ミッション事件に関わった人々の言動を通じて、排除の重層性と
    国民国家
    との関係を検討する。
  • 江幡 裕
    教育制度学研究
    2002年 2002 巻 9 号 71-73
    発行日: 2002年
    公開日: 2020/04/24
    ジャーナル フリー
  • ロバート・ダールの論考を手がかりとして
    上田 耕介
    社会学研究
    2019年 103 巻 73-93
    発行日: 2019/10/16
    公開日: 2021/10/24
    ジャーナル フリー

     英国のEU離脱、トランプ政権の誕生などの動きに対して、それを非合理な反動と見るリベラル左派から、盛んに批判が行われている。しかし本稿は、これらの動きが合理的であると論じていく。そのために本稿は、ロバート・ダールの晩年の論考を手がかりにする。それは、移民の増加と、国際組織の影響力増大、

    国民国家
    の弱体化に関するものである。

     ダールによれば、①移民は民主制にとって厄介な問題を引き起こすため、移民を無制限に受容すべきでない。②国際組織は非民主的であり、民主化する見込みもない。③

    国民国家
    が近い将来消滅することはなく、
    国民国家
    の民主制が機能するためには、ナショナリズムが欠かせない。

     こうした議論からすれば、近年の「極右」台頭は、当然の帰結であり何ら驚くべきことではない。それをもたらしたのは新自由主義者とリベラルの連合である。かつてのポランニや近年のトッドが、ダールと同じ方向で議論を展開している。

  • 欧米先進諸国における新たな「ネーション・ビルディング」の模索
    佐藤 成基
    社会学評論
    2009年 60 巻 3 号 348-363
    発行日: 2009/12/31
    公開日: 2012/03/01
    ジャーナル フリー
    1990年代以後,欧米先進諸国の移民統合政策が変化してきている.それまでの「デニズンシップ」や「多文化主義」に傾斜した政策が後退し,「統合」という概念により重点が置かれるようになっている.それは一見,「グローバル化」時代のトレンドと矛盾するように見える.本稿は,このような最近の変化を,19世紀以来の
    国民国家
    形成とグローバルな移民の拡大との歴史的な連関関係のなかで考察してみる.
    国民国家
    は,19世紀以来200年間のグローバルな変容のなかで形成/再形成され,またグローバルに波及してきた.そのようななかで
    国民国家
    は,移民を包摂・排除しながらその制度とアイデンティティを構築してきた.本稿は,その歴史的過程を明らかにしたうえで,最近の欧米先進諸国の「市民的」な移民統合政策への変化が,「異質」なエスノ文化的背景をもった移民系住民を包摂するかたちで
    国民国家
    を再編成しようとする,新たな「ネーション・ビルディング」への模索であるということを主張する.最後に,こうした最近の欧米先進諸国における変化から日本の状況を簡単に検討する.
  • 古川 高子
    現代史研究
    2020年 66 巻 93-100
    発行日: 2020/12/27
    公開日: 2023/09/23
    ジャーナル フリー
  • 高島 昌二
    ソシオロジ
    1992年 37 巻 2 号 133-136
    発行日: 1992/10/31
    公開日: 2017/02/15
    ジャーナル フリー
  • 碓井 敏正
    哲学
    2005年 2005 巻 56 号 65-81,4
    発行日: 2005/04/01
    公開日: 2009/07/23
    ジャーナル フリー
    In Japan, human rights are in crisis due to the compulsory participation in national flag and national anthem, especially in schools. Human rights are weak before the state, because they are justified only through the recognition of nation-state. Outside the nation-state, human rights are meaningless, so to make human rights universal and real, it is ne-sessary to expand the political community beyond the nation-state. However, this subject is not easy, because the power of nationalism as a state-consciousness is very strong even in democratic states. This was shown by American people at the time of the 9.1 Incident.
    In order to overcome nationalism, firstly it is necessary to separate community from state. It is because as the communitarian says there is an important factor in community to prevent nationalism and totalitarianism by placing individuals in community. We have to give a cosmopolitan character to community-situated individuals. Such reality is increasing through the reinforcement of economic mutual dependence at the global level.
    Globalization is making new orders and new communities, subdividing nation-states and old formes of communities. It also presents new world-wide problems such as the disparity of wealth and environmental issues.
    We have to establish a new order and idea of global justice which can resolve such is-sues. Only by confronting these problems, can we make human rights universal.
  • 英語圏の研究動向から
    山崎 孝史
    地理学評論 Ser. A
    2001年 74 巻 9 号 512-533
    発行日: 2001/09/01
    公開日: 2008/12/25
    ジャーナル フリー
    本稿は, 1980年代以降の英語圏の研究動向に即して,グローバル化,
    国民国家
    ,そしてナショナリズムの関係を理解するための地理学的視角について検討する.グローバル化に伴う昨今の動態的な政治・経済・社会的変化は,一方において国家の基盤である主権,領土,あるいは国民的均質性を問題化し,他方においてナショナリズムに喚起された新国家形成や国家分裂という事態を招いている.本稿はまず,こうした一見矛盾した世界政治の現状を最近の研究を通して把握し,
    国民国家
    とナショナリズムの今日的意味を理論的に検討する.次に,ナショナリズムの現代的諸理論を近代主義アプローチを中心に論評する.最後に,ナショナリズムを領域的視点から検討することの有効性を,中心-周辺関係,領域的アイデンティティ,地理的スケールの三つの空間的概念を基に考察する.これらの考察を通して,グローバル化時代における
    国民国家
    とナショナリズムに関する政治地理学的研究の方向性を提示する.
  • 杉原 賢彦
    Revue japonaise de didactique du français
    2017年 12 巻 1-2 号 312-318
    発行日: 2017年
    公開日: 2019/06/21
    ジャーナル フリー
  • 国祐 道広
    教育制度学研究
    2002年 2002 巻 9 号 68-71
    発行日: 2002年
    公開日: 2020/04/24
    ジャーナル フリー
  • 窪田 幸子
    日本文化人類学会研究大会発表要旨集
    2008年 2008 巻 B-23
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/05/27
    会議録・要旨集 フリー
    21世紀にはいるころから、世界では先住民にかかわる言説が影響力を増してきた。先住民についてのイデオロギー装置は、広い範囲である一定の力を持つようになり、いわゆる「典型的な先住民」ではない地域にも影響力を持つようになった。発表者たちは、2005年から「先住民」という概念を多様な社会の枠組みの中に再定位し、比較検討し、この概念を捉えなおそうとする共同研究を行ってきた。成果の一端を示したい。
  • 千葉 正史
    中国経済研究
    2009年 6 巻 1 号 12-21
    発行日: 2009年
    公開日: 2022/03/03
    ジャーナル オープンアクセス
    The purpose of this paper is to analyze the change of the relation between the central government and provinces in late Qing China. In imperial China, the relation between the central government and provinces which is different from the modern nation state existed. An administrative right was unified by the dynasty, but the administration was completely executed by the local bureaucrat. In the 19th century, modern traffic and communication industry was introduced, and they were managed and supervised by the local bureaucrat. such as governor general. In the 1900s, with political reform, the reorganization of the administrative system was begun.As for the traffic and communication administration, management of public railway and telegraph was transferred to the Youchuanbu 郵伝部 (Ministry of Posts and Communications) which was established in 1906. In 1908, the Qing government ordered all ministries to draft a nine-year policy program for the preparation to enforce the Constitution. After that. these programs were executed until the 1911 revolution, and became the basis for development of policies. In this process, unification of traffic and communication administration developed more. Xingzheng-gangmu行政綱目 (the table of the constitutional administrative system) which the Xianzheng-bianchaguan憲政編査館 (the Constitution Drafting Committee) presented in 1910, it proposed a systematical reorganization plan. According to it, traffic and communication administration had to be unified to the Youchuanbu. For example, the postal service which the maritime customs managed and local public telegraph which provincial government managed was transferred to the Youchuanbu in 1911. By this process, the relation between the central government and provinces was reorganized. The national traffic and communication administration was almost executed not by the local bureaucrat but by the central government. It is an epoch-making reform on the administration system of China.
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