全国の幹線道路における交通調査に用いられる調査区間は,調査の種類や年次により区間設定の方法が異なることが多く,調査結果の相互利用や比較分析に多大な労力を要している.また,従来の方法は,実務者による交通調査結果のネットワークレベルでの分析,区間データの効率的な更新には適していなかった.
そこで,本論文では,これらの課題を解消すべく,各種交通調査・分析のニーズに適合し,普遍的で分かりやすく,長期安定性に優れ,データの更新も容易な交通調査基本区間標準,並びにそれから一義的に生成される基本交差点標準を提案し,その具体的内容を示した.なお,提案した交通調査基本区間標準は,平成22年度道路交通センサス一般交通量調査に適用しており,適用による調査の効率化,調査結果の分析の高度化・効率化の内容を併せて示す.
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