最近JIS規格が, SI単位化, ISO規格との整合化, JISの新書式への変異などの目的で順次改正されている。特に, ISO規格との整合化は, WTO/TBT (旧姓GATTスタンダードコード) に基づき, 主に貿易上の障害除去の観点から紙パルプも含めた全JISについて行われていたものであり, 最近の閣議決定によりその改正作業を平成9年度までの3年間で完了させることとなった。本報では, 紙パルプ技術協会及び同試験規格委員会で進めている紙パルプ関係のJISの国際規格 (ISO) への整合化作業を紹介し」, 改正内容について解説した。整合化作業は, 工業技術院から提示されている整合化手法により行われているが, これらの手法を用いる上での紙パルプ分野での問題点, 更に, この問題点とISOのメンバーシップとの関連についても概説した。既に改正されたJISにおいて, ISO規格との整合化の結果, 例えば「比破裂強さ」, 「比引裂強さ」などの比強度 (坪量で補正した強度) や「耐折強さ」の定義が, 従来のJISとは異なっていることを示した。
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