医師のズーノージスへのかかわりの現状を知る目的で神戸市医師会会員 (2, 584名) および
福岡市
医師会会員 (1, 814名) にアンケートによる意識調査を行った. 神戸市会員からは1, 165通 (回収率451%)
福岡市
会員からは774通 (回収率42.7%) のアンケートが回収された. 診療の中で感染症患者診察率が10%以下の医師は7~8割であるが感染症を疑う時に動物飼育の有無や海外旅行について問診を行う医師は70%に及んでいた.
感染症新法に定められた15種類のズーノージスを最近の5年間に疑うか確定診断をした医師は738名 (38.1%), 1, 355件であった. ペット動物が感染源と思われる患者の診察経験のある医師は365名 (18.9%) であった. 原因動物はイヌ, ネコとインコなど鳥類が主であるがサル, カメ等も少数の報告があった. 今後, 感染症やズーノージスが増えると感じている医師は約半数であった. ズーノージス対策に対する意見の自由記載では712名 (39.8%) から1, 050件の提案がなされた. その概要は, 「行政」に対するもの444件, 「教育」に対するもの244件, 「医療」に対するもの201件であった. また, 二次調査には80%の医師が協力すると回答した. ズーノージス対策への期待は大きく行政-医師-獣医師-ペット業者-ペット飼育者の間でのネットワーク構築が望まれていた.
抄録全体を表示