1. 第1回全日本緬羊山羊共進会(1955年10月)に出陳されたコリデール種の肉仔羊(去勢肥育仔羊)24頭から得た資料によって,体型と経済能力の関係をみた。仔羊の平均生後日数は199.3±24.8日であった。
2. 生体重と体型各測定部位との関係において,生体重に対する体重,枝肉量,腰角幅,〓幅の相関度は大で,単相関係数はそれぞれ0.9684,0.9219,0.8314,0.8290であつた。重相関係数では腰角幅,〓幅,胸深,胸前幅,体長,尻長の6部位と生体重の場合に0.9741で最大値を示した。
3. 枝肉量と体型各測定部位との関係において,枝肉量に対する生体重,剪毛前体重,腰角幅,〓幅の相関度は大で,単相関係数はそれぞれ0.9219,0.9216,0.8267,0.8062であつた。重相関係数では腰角幅,〓幅,胸深,胸前幅,体長,尻長の6部位と枝肉量の場合に0.9303で最大値を示した。
4. 生体重,枝肉量に対して密接な関係のある測定部位は,腰角幅,〓幅,胸前幅の体幅で,特に腰角幅は最も関係の深いことが認められた。さらに生体重に対しては胸深,枝肉量に対しては尻長も密接な関係のあることが認められた。すなわち枝肉量には,生体重よりも後躯が密接に関係していることが認められた。
5. 枝肉歩留は,枝肉量との相関が最大で,その相関係数は0.7225であつた。
6. 背ロースは体重との相関が最大で,その相関係数は0.8411であつた。
7. 産毛量に対しては,剪毛前体重と生体重の密接な関係が認められ,各相関係数は0.6338,0.5713であつた。また産毛量に対する剪毛前体重と毛長,生体重と毛長の重相関係数は0.5685,0.5630で,単相関係数と類似の値を示した。しかし単相関係数は重相関係数よりやや高い値を示した。
8. 生体重,枝肉量,産毛量に対する回帰式を算出したが,体重測定をしなくても,腰角幅,〓幅,胸深,胸前幅,体長,尻長の6部位の測定値によつて生体重,枝肉量を相当正確に推定し得る可能性が認められた。
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