臭化ビニル(VB)の熱重合を行なうと脱HBr反応が起こり,二重結合が生成する。そこで脱HBr反応をともなわない乳化重合を検討した。開始剤がFe-H
2O
2系の場合重合温度0±0.5℃,4時間の重合では収率10%であるが,Fe-H
2O‐アルコルビン酸系では同じ重合条件で94.0%となった。しかも,脱HBr反応はほとんど認められなかった。
つぎに,
塊状重合
および乳化重合系で臭化ビユルとそれぞれブクリル酸ブチル(BA),アクリロニトリル(AN),酢酸ビニル(VA),メタクリル酸メチル(MMA)との共重合を行ない,重合挙動を調べるとともにモノマー反応性比を求めた。VB(γ1)-BA(γ2)の系ではγ1=0.19,r2=3.70(
塊状重合
r1=0.018,r2=13.80(乳化重合),VB(γ1)-AN(γ)の系ではγF0.055,γ2=2.25(
塊状重合
);γ1=0.007±0.003,γ2=0.94±0.02,VB(γ1)-VA(γ2)の系ではγ1=1.82,γ2=0.68(
塊状重合
);γ1=3.00±0.65,r2=0.38±0.016(乳化重合),VB(γ1)-MMA(γ2)の系ではγ1=0.33,γ2=17.1(
塊状重合
),γ1=0.0024,γ2=27.4(乳化重合)。
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