1. 人造板耐水
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層に起る吸水現象に關し理論的考察を行ひ、Benetzbarkeitに關する吸水量とPoiseuilleの法則に從ふ吸水量の二つあることは指摘し、且一般の耐水性を考究する場合にはBenetzbarkeitに關する因子をも輕視してはならな。
2. 人造板並に人造板耐水
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層に水を滴下し、水滴の消失する時間の測定によりBenetzbarkeitに關する耐水性を研究し、第四報の結果と對比し、其の相違點につき論じた。
3. 無
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「ツンドライト」は無
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「キビテツクス」に次いでBenetzungし易すく、他の人造板に比して耐水性不良で且膨潤する缺點がある。然れども「ラテツクスゾル」を5-6囘下塗し.「シケラツク」を上塗とする場合は供試人造板並に天然材(桐)の何れよりも耐水性良好となり.且膨潤せず。
4. 第四報の實験装置の缺點を改良し、常に一定壓を與へ得る耐水試驗装置を考案し、壓力10瓦/糎
2、温度35°Cに於て
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「ツンドライト」の耐水性を研究した。水に安定なる人造板の
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層の吸水は理論的に考察せるPoiseuilleの法則に從つて起り、且、吸水曲線はBenetzbarkeitに關する吸水量QAとPorenweitに關する吸水量QTの二部分より成ることを實験的に證明した。
5. 塗膜層の吸水量QT及QAの變化により耐水性の強弱及吸水中起る塗膜層内毛細管の變化について觀察した。
6. 35°Cに於ける「ツンドライト」耐水
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は上塗として「シケラツク」又は「ニス」を用ひ下塗として何れも「ラテツクスゾル」を用ひたる場合、其の耐水性に於て「シケラツク」上塗のもの「ニス」に優る様である
7. 混用
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のBenetzungは單用
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のBenetzungより弱いものの様である。
終りに臨み本研究を行ふに當り、御懇篤なる御指導と御助力を賜りし恩師志方教授に深謝す。
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