horseradish peroxidase (HRP) 法を用いて咀嚼筋 (咬筋, 側頭筋, 内側翼突筋,
外側翼突筋
, 顎二腹筋前腹, 顎舌骨筋) を支配する交感神経節細胞, 三叉神経節細胞および三叉神経運動核神経細胞の局在と大きさについて検討した。
Wistar系ラット24匹の咀嚼筋に40%HRP溶液を注入した。動物を24時間生存後環流固定し, 上頸神経節 (SCG), 星状神経節 (SG), 三叉神経節 (TRG), 脳幹を取り出し, tetramethyl benzidine法により処理した。SCGにおける標識細胞は, 咬筋, 側頭筋, 内側翼突筋では中枢側1/2に多いが,
外側翼突筋
ではやや少なく, 顎二腹筋前腹, 顎舌骨筋ではほとんど認めなかった。SGには標識細胞は認めなかった。TRGにおける標識細胞は, 第3枝領域に分布しており, 標識細胞の大きさは平均直径24.3±4.9μmで, 歯髄のそれ (27.8±5.5μm) よりも小さかった。三叉神経運動核における標識細胞は, 咬筋は背外側に, 側頭筋は背側中央部に, 内側翼突筋は腹外側から腹内側に,
外側翼突筋
は腹内側に, 顎二腹筋前腹は背内側に, 顎舌骨筋は内側に局在していた。運動神経細胞の大きさの分布は, 咬筋は二峰性で, 他は単峰性であった。運動神経細胞の大きさは咬筋, 側頭筋において, 内側翼突筋,
外側翼突筋
, 顎二腹筋前腹, 顎舌骨筋よりも有意に大きかった。また
外側翼突筋
, 顎二腹筋前腹, 顎舌骨筋には中脳路核に標識細胞は認めなかった。
抄録全体を表示