自閉症児に対してあることばを理解させたいとき,そのことばかけをして,それに対応する行為を繰り返し練習するよりは,まずそのことばの意味を明確にし,それを伝達することが有効である.伝達するといっても,自閉症児に単にことばで説明するわけにはいかない.子どもにとって直感的に意味がとれる課題から出発し,大人の意図とそれに内在する命題がどのように子どもに伝わっているかを基点に子どもとのやりとりを展開し,最終的に目標とすることばの意味の気づきへと導く.自閉症児に対しことばの意味を明示化する手法とその面白さについて紹介する.
抄録全体を表示