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全文: "太平洋高気圧"
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  • 永田 玲奈, 三上 岳彦
    地理学評論 Series A
    2012年 85 巻 5 号 508-516
    発行日: 2012/09/01
    公開日: 2017/11/10
    ジャーナル フリー
    本研究では,1901~2000年の100年において北太平洋高気圧西縁部の東西・南北変動を示す指数を定義し,その長期変動について明らかにするとともに,日本の17地点における夏季気温変動との関係について解析を行った.その結果,北太平洋高気圧の西縁部は過去100年に南西方向にシフトしていることがわかった.また100年を前半50年と後半50年に分けて比較したところ,前半50年と比べて後半50年には,高気圧西縁部が北(南)にシフトすると気温が上昇(低下)するという有意な正相関を示す地点が多く見られた.1951年以降,Pacific-Japan (PJ)パターンの励起と関係が深い,南シナ海と熱帯太平洋西部との間の夏季海面水温の東西傾度と,高気圧西縁部の南北変動との関係が強まっており,PJパターンが多く発生することで,高気圧西縁部の南北変動と日本の気温との関係が強まったと考えられる.
  • 三上 岳彦
    地学雑誌
    1974年 83 巻 1 号 38-47
    発行日: 1974/02/25
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
  • 永田 玲奈, 三上 岳彦
    日本地理学会発表要旨集
    2019年 2019s 巻 S306
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/03/30
    会議録・要旨集 フリー
    東九州の日降水量データを使用して,1901~2000年における日本の台風経路の変化について明らかにした.宮崎・大分の8月の日降水量データから東九州に地形性レインバンドをもたらす台風を定義したところ,1951年以降にこのような台風の数が減少していた.これは1951年以降に見られる北太平洋高気圧の南西へのシフトが原因であると考えられる.また,東九州と日本の51地点の気象官署の降水量との関係から,1951年以降に台風経路が南西にシフトしていることが示唆された.東九州において台風による降水量が年々減少していることも明らかにされたが,これは台風の北上する速度が速まっていることが原因の1つであると考えられる.
  • 田上 善夫
    日本地理学会発表要旨集
    2016年 2016a 巻 P1012
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/11/09
    会議録・要旨集 フリー
    Ⅰ はじめに

      歴史時代の気候変動の復元のために,気候災害などの記された文書史料は,時間的な精度や空間的広がりに十分なものがある。東アジア周辺の小氷期の気候変動の復元のため,日本のほかに中国も含めた,大気の動的状態を示す強風災害関係の史料を用いる。

    Ⅱ 資料と方法

      資料として『日本気象資料』(中央気象台・海洋気象台編,1939),『中国三千年気象記録総集』(張徳二主編,2004)を主として用いる。また,中国暦による日付は『兩千年中西曆轉換』(中央研究院資訊服務處,2015)を使用してグレゴリオ暦に変換した。

      安政年間の1856年から1858年に那覇で気象観測を行った,P.L.Furetのデータから,沖縄地方に台風が来襲し,さらに本州また中国にも風災をおよぼしたもののあることが明らかである。

    Ⅲ 19世紀の強風災害

      中国の強風災害は,19世紀には2565件が記録されるが,山東,広東,浙江,河北省ではとくに多い。その中で「颶風」によるものは391件が記録されるが,広東を中心に,浙江,海南,上海,福建などに限られる。なお「台風」とされるものは,台湾で9件あるほかは,福建,遼寧に限られる。

      中国の颶風災害,日本の暴風雨について,月別に出現数を比較すると,中国では9,8,7月,日本では9,8,10月に多くなる。中国に比べて日本では出現が遅れるが,これは現在でも太平洋高気圧の張り出しが台風のコースに影響することから説明される。

      19世紀に中国では,風災は世紀後半に急増するが,颶風は1840年頃に減少,1860年頃に増加,その後は減少していく。日本では暴風災害は反対に1840年頃に増大し,その後減少がみられる。すなわち中日間で出現の相反するが,夏季の太平洋高気圧とのかかわりから,1840年頃には太平洋高気圧が衰退していたのに対し,1860年頃には太平洋高気圧が発達していたことが考えられる。

    Ⅳ おわりに

      日本では台風のような熱帯低気圧に伴う強風は,平安時代より「野分」とよばれたが,中国では「颶風」が代表的で,とくに中南部の沿岸部を中心にしており,北部では異なる。台湾では台風は颶風とほぼ同数が記録され,呼称に区別があるようだがそれらの関係は不明である。
  • 白鳥 勝義, 小笠原 和夫
    応用物理
    1935年 4 巻 7 号 258-259
    発行日: 1935年
    公開日: 2009/02/09
    ジャーナル フリー
  • 坂井 大作, 高橋 洋, 松本 淳, 水田 亮
    日本地理学会発表要旨集
    2013年 2013s 巻 P078
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/09/04
    会議録・要旨集 フリー
    1. はじめに 太平洋高気圧は日本の極端高温を引き起こす要因であることが多い。しかし、日々の極端気温においては太平洋高気圧が強い気圧配置だとは限らない。日単位の極端高温をもたらす気圧配置のパターンが複数存在するということである。その温暖化に伴う変化に関しての研究はほとんど研究されていない。 本研究では温暖化に伴う、8月の日本における極端高温発生時の気圧配置のパターンと、その頻度の将来変化を解析した。2. 使用データ 気象庁気象研究所で開発された大気大循環モデルMRI-AGCM3.2H(Mizuta et al. 2011)のシミュレーション(1872~2099年)によって得られたデータの中で、8月の日平均の地上気温、地上気圧を用いた。モデルの格子点間隔は60kmである。境界条件に関しては、再現気候としての1872~2005年は英国ハドレーセンターによる年々変動のある海面水温の観測データ(HadISST、Rayner et al. 2003)を、将来気候としての2006~2099年は観測データをベースに、SRESのA1Bシナリオに基づくCMIP3マルチモデル平均の昇温量を上乗せした海面水温を用いた。シミュレーションは大気の初期条件のみをわずかに変えたアンサンブルランを4メンバー行なっている。 解析に用いた期間は1979~2003年(以後「現在実験」と呼ぶ)と2075~2099年(以後「将来実験」と呼ぶ)の各25年間である。よって、各期間31日×25年×4メンバー=3100日存在する。MRI-AGCM3.2Hの結果の妥当性をみるため、JRA-25(Onogi et al. 2005)長期再解析データを1979~2003年に関して解析した。3. 解析方法 現在実験・将来実験のそれぞれにおいて、気圧配置を客観的に分けるために20°~60°N、120°~160°Eの領域で地上気圧のEOF解析を行なった。日本を南北2領域に分け(「北日本(東北・北海道)」「南日本(「北日本」と沖縄・奄美以外の領域」)、各領域において日平均気温が上位10%(現在実験・将来実験は各310日、JRA-25は77日)に入った日について、EOFの各モードにおいて時間係数が1標準偏差を超えた(そのモードが支配的であるとみなせる)時の地上気圧のコンポジットをとった。4. 結果 結果の一例として、EOFの第1モードと第2モードにおける、南日本極端高温時の結果を示す。第1モードでは日本の北を中心とした、第2モードでは日本の南を中心とした気圧変動である。南日本の極端高温において、EOF第1モードで時間係数が-1標準偏差以下の場合、太平洋高気圧の張り出しが弱く、日本の北に強い低気圧があるパターンとなった(図1左)。現在実験でのこの日数は71日(極端高温全体の約23%)を占めている。なお、JRA-25では17日(約22%)であった。EOF第2モードで時間係数が-1標準偏差以下の場合、南海上に熱帯低気圧があるパターンとなった(図1右)。現在実験においての日数は38日(約12%)であった。一方、JRA-25では3日(約4%)であった。 このように、太平洋高気圧の勢力が強くなくても、その周辺で熱帯低気圧や大陸に強い低気圧が存在している場合に極端高温となるケースが多い。また、将来実験ではEOF第1モードの-1標準偏差以下の場合では高気圧・低気圧の勢力、日数に大きな変化はなかったが、EOF第2モードの-1標準偏差以下の場合では太平洋高気圧は弱化し、熱帯低気圧の領域が東にシフトしていた。また、日数は55日(極端高温全体の約18%)に増加している。
  • 神澤 望, 高橋 洋
    日本地理学会発表要旨集
    2020年 2020s 巻 518
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/03/30
    会議録・要旨集 フリー

    太平洋・日本(PJ)パターンは,北半球の夏季に熱帯のフィリピン周辺の対流活動が活発だと中緯度の日本を含む北西太平洋域が平年より高気圧が強まるという特徴を持ったテレコネクションである.日本の夏の気候に影響を与えることが知られており,2018年の7月中旬から下旬にかけて日本の広範囲で発生した高温現象に関してもPJパターンが部分的に寄与が指摘されている.そこで本研究は,2018年の日本ので発生した高温現象について, PJパターンをsub-seasonal(約15日)なタイムスケールで着目しながら調べた.高温現象発生時,日本上空では平年より太平洋高気圧が強く,フィリピン周辺域では対流活動が活発であり,PJパターンと対応していた.PJパターンの季節進行を調べると,7月後半はPJパターンの応答として中緯度に現れる高気圧偏差がちょうど日本上空に現れやすい時期だった.PJパターンの中緯度の応答が現れる位置が移動するのは背景場である夏季アジアモンスーンの循環場の変化が影響していると考えられる.また,7月に中緯度の太平洋高気圧・熱帯のモンスーントラフがそれぞれ発達する.この夏季アジアモンスーンの循環場の季節進行自体が7月下旬のPJパターンを影響を出やすくさせた.

  • 永田 玲奈
    日本地理学会発表要旨集
    2015年 2015s 巻 P038
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/04/13
    会議録・要旨集 フリー
    本研究では,1901~2000年における東アジア地上気圧の長期変動について主成分分析を用いて明らかにした.第1主成分の因子負荷量は10º-25ºNの西部太平洋に負の中心が見られ,これは北太平洋高気圧の変動を示していると考えられる.主成分スコアは1950年以降に負となる年が多く見られ,NPSHが1950年以降に南西にシフトするとしている永田・三上(2012)と一致する.また,東部熱帯太平洋と熱帯インド洋の海面水温(sea surface temperature;SST)は第1主成分の主成分スコアと有意な負相関があり,同領域のSSTの上昇がNPSHの強化に関係していることがわかる.また,第2主成分はAll-India Monsoon Rainfall indexと,第3主成分はダイポールモードインデックスと関係があることがわかった.また,第4主成分はPJ(Pacific-Japan)パターンを示しており,Kawamura et al.(1998)がPJパターンの励起と関係が深いとしているフィリピンを境としたSSTの東西差や熱帯インド洋のSSTと相関が高かった.
  • バイオフィリア リハビリテーション研究大会 準備委員会
    長澤 弘
    バイオフィリア リハビリテーション学会研究大会予稿集
    2013年 2013.4 巻
    発行日: 2013年
    公開日: 2017/07/21
    会議録・要旨集 フリー

     梅雨明け宣言が出された途端,太平洋高気圧の力をいやでも思い知らされている此の頃である.この暑い夏の盛りではあるが,第6回バイオフィリア リハビリテーション研究大会を開催するに至った.7年前に有志により発足した小さな研究会が,会員の努力により学際的な内容を多く含む会へと発展し続けていることは素晴らしいことであり,同時に研究成果を国民へ還元すべくさまざまな領域を含めた研究が進行中である.今回の研究大会が契機となり,さらに多くの賛同者および研究者が参入できるような成果をあげ,世界へ向けて発信できる研究大会になるようにと願っている.

  • 永田 玲奈, 三上 岳彦
    日本地理学会発表要旨集
    2017年 2017s 巻 P045
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/05/03
    会議録・要旨集 フリー
    日本の日降水量データを使用して,1901~2000年における日本の台風経路について復元を行った.宮崎・大分の8月の日降水量データから東九州に地形性レインバンドをもたらす台風を定義したところ,1951年以降にこのような台風の数が減少しており,これは1951年以降に見られる北太平洋高気圧の南西へのシフトが原因であると考えられる.日本の51地点の気象官署の8月の月降水量と東九州に降水をもたらす台風数との相関係数を算出したところ,台風数と降水に強い相関が見られる地域は1950年以前よりも以降に南西方向にシフトしていることがわかった.このことから,高気圧の変化が東九州付近の台風経路の長期的変化に影響していると考えられる.
  • 冨田 惇, 谷口 健司, 小池 俊雄
    水工学論文集
    2008年 52 巻 319-324
    発行日: 2008年
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    A summer heavy rainfall event in Japan is a part of large-scale circulation field. But, heavy rainfall research has not been done from large-scale viewpoint because it is difficult to get high-integrity long-term data. In 2006, Japanese 25-year Re-analysis (JRA-25) data was begun to be published.
    In this study, by using JRA-25 data, trajectory analysis was carried out and anomalous field of atmospheric conditions about the 35 events in which heavy rainfall occurred in Japan in Baiu season was investigated. Some features of synoptic scale atmospheric structure of summer heavy rainfall was found out. ; intention of Pacific high, westward spread of Pacific high, intension of cyclone near Japan, intension of MA-3, increase of water vapor of moist tongue, pressure variation of Okhotsk Sea. When dry year events were analyzed, they show opposite tendency to the features.
  • 藤宮 健太郎, 赤坂 郁美
    日本地理学会発表要旨集
    2018年 2018s 巻 P116
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/06/27
    会議録・要旨集 フリー
    1. はじめに
    北太平洋高気圧(North Pacific High :NPH)の変位は、台風の進路や前線の位置を決定し、日本における夏季の気温や降水量を変動させる要因となっている。永田・三上(2012)では夏季(6~8月平均)のNPHの西縁部を定義し、日本の夏季の気温との関係を示している。Nagata and Mikami (2016)でも同様の手法で、NPHと夏季降水量との関係性を明らかにしている。しかし、6~8月は月により気候特性が異なるため、本研究では6~8月の月ごとのNPHの分布と日本の気候との関係について、月ごとのNPHの長期変動特性と日本の気温・降水量との関係を明らかにすることを目的とする。


    2. 使用データと解析方法
    本研究では1890~2016年の6~8月におけるHadSLP2rの月平均海面気圧データ(Allan and Tara, 2006)を使用した。気温と降水量データは1897~2016年の6~8月における日本の気象官署26地点のデータを使用した。まずNagata and Mikami (2016)の手法を参考に月平均海面気圧データから1011hPa等圧線が最も西に張り出している地点を西縁部と定義し、その東西・南北方向の変動を示す指数を作成し、各地点の気温・降水量との相関係数を月ごとに算出した。


    3. 結果と考察
     NPHの南北変動は月ごとに異なる長期変動特性を示した。特に、7月と8月は1980年代以降、年々変動が大きくなっていることがわかったほか、8月は1950年代以降に南偏傾向がみられた(図略)。 

     またNPH西縁部指数の南北変動と日本の夏季の気温との間には有意な相関がみられた。特に6月のNPH西縁部指数は、1920年以前には北・東日本、1950年前後には全国、1990年代後半には九州を除く全国の気温と有意な正相関がみられた(図1左)。7月は北日本では1920~1940年代と、1970~1980年代にかけて有意な正相関がみられた。有意な相関がみられた時期のNPH西縁部の位置をみると、6月は20~25°Nに、7月は25~30°Nに分布しており年々変動が小さく、分布が極端に偏る年はほとんどみられなかった。8月には1940年代に北日本で有意な正相関がみられる一方、九州では負相関がみられた(図1右)。北日本と九州で相関の正負が異なる要因として、NPH西縁部が他の期間と比べて北偏(35~40°N)する年が多かったことが考えられる。

    NPH西縁部指数の南北変動と日本の降水量との相関係数を算出した結果、近年有意な相関を示す地点が増加していることがわかった。6月は西日本を中心に1960~1990年頃に有意な正相関がみられ、7・8月は西日本や東日本を中心に有意な負相関がみられた。これらの結果は、NPHの南北変動とともに、その外側を通る暖湿流も同様に南北方向に変動することに対応していると考えられる。6月は20°N ,130°E付近を中心に西縁部が位置しており、NPHが南偏(北偏)すると日本の南海上(西日本付近)に暖湿流が流れるために正相関を示すと考えられる。一方、7月の西縁部は25°N ,130°E付近に、8月は40°N ,135°E付近に位置しており、6月よりも相対的に北もしくは北東にシフトしている。NPHが北偏(南偏)すると北日本(関東から九州の太平洋側)付近に暖湿流が供給されるため、西日本では負相関を示すと考えられる。そのため今後は暖湿流の供給元である北西太平洋域の海面水温とNPHとの関係さらに調査していきたい。
  • 田上 善夫
    日本地理学会発表要旨集
    2017年 2017a 巻 P014
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/10/26
    会議録・要旨集 フリー
    文書史料に遺された気候災害などの記録より,歴史時代の気候変動の復元が可能となる。例えば旱魃や長雨,大雪や暖冬は,当時の気候を指示するものとして重要である。それらより寒暖また乾湿の状態が復元され,当時の気候のとくに環境面での特色が明らかとなる。復元された大気状態をさらにその出現について理解するには,大循環モデルによる再現などの援用が必要となる。一方代表的な気候災害である暴風雨などは,寒暖・乾湿とのかかわりは複雑であるが,それらの発生は大気・海洋状態に密接にかかわり,また移動経路は大循環に支配されている。そのため,暴風雨などの気候災害記録の利用により,広域における動的な気候変動の復元が可能となるものと期待できる。気候災害の資料として日本の『日本気象史料』(中央気象台・海洋気象台編,1939)と,中国の『中国三千年気象記録総集』(張徳二主編,2004)を用いる。前者では熱帯低気圧に伴うと考えられる災害は,暴風雨としてまとめられている。後者では熱帯低気圧に対応すると考えられるものは,「颶風」である。県単位で記されているが,起日より隣接する県などでは同一のものを記したと考えられるため,その出現を省単位で集計した。中国の「颶風」による災害は,南東岸にあたる広東省を中心に,浙江省,海南省,上海市,福建省などで多数記録される。内陸部で急減することは,上陸後には勢力が衰えることを示すとみられる。中国の颶風災害と日本の暴風雨災害は,出現が相反するようすがみられるが,太平洋高気圧の盛衰の影響と考えられる。日本の暴風雨と中国の颶風の数は,17-19世紀に大きく変動している。相対的な出現割合は循環の影響と考えられることから,前者をa,後者をbとし,比率をb/(a+b)で示すと,1610年代,1650年代,1700年代,1740年代,1780年代,1830年代の低下がみられる。上記の変動が,夏季の太平洋高気圧の盛衰の影響である場合,その低下期には夏季に太平洋高気圧が衰退ないしは東偏していたとみられる。またこれら低下期は,元和,寛永,元禄,元文,天明,天保年間であり,江戸時代の主要な飢饉の発生年代に対応している。さらにこの元禄年間と天保年間は,17世紀末と19世紀初めの太陽活動低下期に対応しており,地球規模での気候変動と密接にかかわるとみられる。そのため,強風災害の変動にもとづくことにより,気候変動の復元のみならず,その理解も容易になるものと考えられる。
  • 林 陽生
    地理学評論 Ser. A
    1987年 60 巻 6 号 394-404
    発行日: 1987/06/01
    公開日: 2008/12/25
    ジャーナル フリー
    By statistical treatment of air-pressure data at the summit of Int. Fuji, an attempt was made to discuss the year by year fluctuations in variability of the magnitude of North Pacific anticyclone during 1941-1985 in the relation to characteristic of summer. The air-pressure, at the height of the observation station (3, 772m), generally varies from 625 mb in winter to 650 mb in summer. The properties of summer is well discribed by a dominancy of the North Pacific anticyclone over Japan.
    From the 45-year mean annual variation of the air-pressure at Mt. Fuji, it can be seen that the period from July through September, i.e., period including the midsummer, coincides with the one when the air-pressure is above 645 mb. Accordingly, the value of 645 mb is adopted as the representative of the dominancy of the North Pacific anticyclone in the present study. Then following four indices are defined. Nam ely, (A) first day of period above 645 mb in air-pressure at the summit of Mt. Fuji, (B) last day of the period, (C) total number of days for the period and (D) accumulated air-pressure above 645 mb.
    In addition, (E) ending day of Baiu and (F) total number of days of south-high-north-low surface pressure pattern (summer-type pressure pattern) are discriminative for summer con-ditions. Correlation coefficients among the time series (A)-(F) were calculated. The correlation coefficients between (D) and (E) and between (D) and (F) were -0.556 and 0.712 respectively. The accumulated air-pressure is recognized as a significant indication for summer conditions.
    Variation of the value of index (D) was represented to be at maximum stages in the beginning of the analyzed period (1942-4949), and in the middle (1960-1962), and at a minimum stage during the decade of 1950-1959. After 1963, the fluctuation of the index has been large (see Fig. 5). It indicates that the climate of summer has recently tended to be unstable. According to agricultural data, cold weather damages over Japan occurred twelve times throughout the analyzed period. All the damaged years except 1945, 1964 and 1969 were clearly in accordance with the negative anomaly of the accumulated air-pressure values.
    In 1980, for example, unusual low temperatures were due to northeasterly cold air advecR tion following the blocking activities over the Sea of Okhotsk. The magnitude of North Pacific anticyclone was remarkably weak and the value of the accumulated air-pressure above 645 mb was reduced to 104. 1 mb day, only 55 percent of the mean value. We can thus investigate a variation of summer property using the indices mentioned above for analyses of the climatic change.
  • 永田 玲奈, 三上 岳彦
    季刊地理学
    2005年 57 巻 2 号 96-107
    発行日: 2005/08/25
    公開日: 2010/04/30
    ジャーナル フリー
    エルニーニョ成熟期に見られる東アジア夏季降水頻度の特徴について日降水量データとヨーロッパ中期予報センターのERA-40データを使用して1958-1977年 (pre77) と1978-2000年 (post77) の比較を行った。6月のエルニーニョ成熟期にはpre77でエルニーニョ・ラニーニャ成熟期でない時 (Neutral) に比べて北太平洋高気圧の拡大に伴う南西風偏差により西日本から台湾で高頻度となり, post77では北太平洋高気圧が南下し日本の日本海側の地域と准河下流域において南西風が弱まり低頻度となった。7月は Neutral に比べてpre77では北太平洋高気圧の西への移動, post77で西への張り出しにより揚子江から西日本で南西風偏差となり高頻度であったが, post77の方がこの高頻度は顕著であった。エルニーニョ成熟期における北太平洋高気圧の変動はエルニーニョ現象に伴う海洋大陸での冷却によりロスビー波が励起されたことによるが, post77のエルニーニョ成熟期にはこれに加えて近年に見られる東部熱帯太平洋の海面水温上昇により北太平洋高気圧の西への張り出し及び南下が顕著であったと考えられる。
  • 松原 弘樹, 金 聖鈞, 山崎 暢浩, 塩田 典子, 岩本 洋子, 山田 怜奈, 沢野 未佳, 松木 篤, 渡辺 幸一
    日本地球化学会年会要旨集
    2014年 61 巻 3P02
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/09/12
    会議録・要旨集 フリー
    2013年7月12から13日に比較的高濃度の二酸化硫黄が観測されたが、7月10日に桜島の昭和火口において、非常に大きな噴火があり、その時の気塊が北陸地方に輸送されていたものと考えられる。また、2013年8月7から15日に採取したエアロゾル粒子中に高濃度の硫酸イオン及びアンモニアイオンが観測された。アジア大陸の工業地帯から排出された大気汚染物質が珠洲市に輸送されてきたものと考えられる。通常の夏季であれば、太平洋高気圧の影響で、大陸からの気塊が輸送されることは少ないが、2013年8月は、太平洋高気圧が例年に比べ西側に位置していたため、西からの気塊が輸送されやすかったものと考えられる。
  • 山本 武夫
    地学雑誌
    1972年 81 巻 4 号 199-222
    発行日: 1972/08/25
    公開日: 2009/11/12
    ジャーナル フリー
    Through the rhythmic change of the decade means of Dec., Jan. and Feb. air temperature in the middle and south-western part of Japan, a rising trend of winter air temperature with longer period is observed as shown in Fig. 1, in which it will be seen that the eight points of the decadal means of air temperatures change inversely with these of the pressure difference, Irkutsk (52°16'N, 104°19'E) - Nemuro 43°20'N, 145°35'E), which was taken as an index of the Far East monsoons strength, and, notwithstanding the inverse parallelism of the decade means, the secular rising trend of Japanese winter temperature is running parallel with that of the Far East monsoon strength.
    The same relation can be seen in the case of rainfalls. In Fig. 2, 10-year running mean curve of January precipitations on the Japan Sea side indicates the same increasing trend with that of the Pacific side, though the 10-year running mean in itself change in parallel with opposite signs.
    These facts lead us to the conclusion that the secular trend of the winter climate in Japan through centuries must be due to some longer period change in the general circulation other than the change in the Far East monsoons.
    A comparison of the two mean December, January and February pressure charts averaged for the periods 1899/1900-1928/29 (n=30) and of 1929/30-1959/60 (n=27) is shown in Fig. 3. The pressure of the Siberian High increased from the first half period to the second period, while the Pacific Low decreased, and the position of the center of the Siberian High has shifted significantly to the northwest (about 3.5° northwards and 5.0° westwards) and that of the Pacific Low appears to have moved to the northwest too.
    It is my opinion that the secular trends observed in the winter climate of Japan must be a reflection of the northwest-wards shift of the climatic zone which was seen in Fig. 3.
    The summer climate of Japan in the past 80 years can be broadly divided into three epochs, basing on the facts which is seen in Fig. 4 and Table 3 (A) and (B).
    (i) 1891-1910 (20 years) cool-rainy epoch
    (ii) 1911-1950 (40 years) hot-dry epoch
    (iii) 1951-1970 (20 years) cool-rainy epoch
    By using all the northern hemisphere monthly mean chart on hand, the secular change of July pressure in the central part of the North Pacific High is investigated in Fig. 5, in which the area enclosed by 1026 mb isobar averaged for (ii) period is remarkably large compared with those before and after the period, and the center of the North Pacific High is situated moving to the northwest in comparison with those before and after the period. The patterns of the July pressure distribution in the neighborhood of the Japan Island are also investigated respectively for (i), (ii) and (iii) period. In Fig. 6, it will be seen that the North Pacific High bulges out strongly towards the south-western part of Japan in the period of (ii).
    The geographical distributions of correlation coefficient of July air temperature with July monsoon strength, taking the pressure difference between Choshi (35°43'N, 140°51'E) and Asahikawa (43°46'N, 142°22'E) as an index of the monsoon intensity in the neighborhood of Japan, are shown for each period in Table 1, in which the region of maximum correlation coefficient goes northwards, or southwards, corresponding to the north-south oscillation of the center of the North Pacific High.
    The July pressure difference between Bo-so Peninsula in Japan and the northeastern part of Korea or the Maritime Province in Siberia is taken as an index of the intensity of bulging of the North Pacific High and the correlation coefficient of the index with amount of July precipitation are computed at various places or district in the Far East.
  • 瀧本 家康
    季刊地理学
    2013年 65 巻 1 号 17-35
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/07/18
    ジャーナル フリー
    梅雨明け時の熱帯対流活動活発化領域の位置の違いと日本周辺域の高度場の変化との関係を検討した。
     1979年から2002年の24年間において,日本付近のOLRを指標に梅雨明けが明瞭な20年間の梅雨明け日を定めた。これらの年について,梅雨明け日前後のOLRの合成図を比較した結果,フィリピン付近と西部北太平洋で対流活動が活発化する年(WP型,2年),フィリピン付近で活発化する年(P型,7年),西部北太平洋で活発化する年(W型,5年),両地域で活発化が起こらない年(N型,6年)の4つの型があることがわかった。P, W, N型の梅雨明け時の高度場の変化を調査した結果,梅雨明けには① 熱帯からの定常ロスビー波および偏西風ジェット上の定常ロスビー波の伝播による高気圧の強化(P型),② 偏西風ジェット上の定常ロスビー波の伝播による高気圧の強化(N型),③ 太平洋高気圧の東への後退(W型),という3つの機構があることが明らかとなった。また,熱帯対流活動が活発化する領域の違いが梅雨明けの引き金となる熱帯からの定常ロスビー波の発生の有無に関係している可能性が示唆された。
  • 大和田 春樹, 大森 博雄, 松本 淳
    地理学評論
    2005年 78 巻 8 号 534-541
    発行日: 2005/07/01
    公開日: 2008/12/25
    ジャーナル フリー
    黄土高原の降水は夏季集中型であり,7~8月に降水量が最大となる.5~9月の水蒸気輸送場解析によると,5月は低緯度側からの水蒸気輸送が黄土高原に達していないが,6月になると水蒸気輸送量が漸増し,7月に最大となる.8月には,中国南部からの水蒸気輸送は弱まり,東シナ海を経て南東方向から黄土高原東部に水蒸気が流入する.9月になると低緯度から黄土高原へ向かう水蒸気輸送量は減少する.この水蒸気輸送場の季節変化には,太平洋高気圧が関わっており,太平洋高気圧の西への張り出しが強まる7月は,華南~華北における東西方向の気圧傾度が増大し,ベンガル湾からの南西気流がより強く北方まで流入する.太平洋高気圧が北上する8月には,華南~華北における東西方向の気圧傾度が小さくなり,南西気流が中国大陸に流入しにくくなるが,北上した太平洋高気圧からの南東気流が黄土高原に流入する.黄土高原の降水量は,低緯度側からの水蒸気輸送量の増減に対応して季節変化するが,降水が極大となる7月と8月とでは水蒸気輸送場が大きく異なっている.
  • 高橋 信人
    地理学評論
    2003年 76 巻 13 号 935-956
    発行日: 2003/11/01
    公開日: 2008/12/25
    ジャーナル フリー
    22年間(1979~2000年)の8~11月の地上天気図を用いて作成した前線出現頻度から,秋雨初期(9/3~9/12),秋雨中期(9/13~10/7),秋雨終期(10/8~10/22)を定義し,降水分布や循環場を比較検討した.これらの時期の降水分布は前線出現頻度分布に伴った季節推移を示す.また,秋雨期における850hPa面の季節推移は,四つの気圧系(中国大陸上の高気圧,太平洋高気圧,インドモンスーン低気圧,南シナ海~フィリピン海付近の低緯度トラフ)と,日本付近およびベーリング海から伸びる中緯度トラフの盛衰によって特徴付けられる.特に,太平洋高気圧と台風活動を伴う南シナ海~フィリピン海付近の低緯度トラフの発達は,前線出現頻度の年々の多寡に深く関係している.また,これらの気圧系とベーリング海付近から伸びる中緯度トラフの発達時期,および東西方向の位置は,年々の前線高頻度期の遅速を決める大きな要因であることが明らかになった.
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