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クエリ検索: "存在動詞"
117件中 1-20の結果を表示しています
  • 白井 聡子
    言語研究
    2008年 134 巻 1-22
    発行日: 2008年
    公開日: 2022/03/08
    ジャーナル フリー

    ダパ語(中国四川省,チベット=ビルマ語派)には多様な存在文があり,さまざまな意味の違いに応じて使い分けられる。存在文の意味を決定する要素としては,

    存在動詞
    語幹の選択,接辞や助動詞の付加,構成素順,項の有生性がある。本論文では,特に,項の有生性がどのように存在文の意味に影響を及ぼすかに着目し,ダパ語の存在文に関する記述的研究をおこなった。

    6つあるダパ語の

    存在動詞
    語幹のうち,ˉnʌは,主語もしくは位格NPに有生物を要求し,主語が有生物の場合は存在文に,位格NPが有生物の場合は分配・獲得を表す特異な存在文になる。その他の
    存在動詞
    語幹については,一般に,位格NPが有生物の場合に所有文を形成する。ただし,
    存在動詞
    語幹ˋɕɨについては,位格NPが有生で主語が分離可能である場合に,位格NPが主語を身に付けた状態を表すという現象が見られた。

  • 久保薗 愛
    日本語の研究
    2012年 8 巻 1 号 14-28
    発行日: 2012/01/01
    公開日: 2017/07/28
    ジャーナル フリー
    18世紀鹿児島方言を反映するロシア資料には,「テアル」「テオル」という「テ+
    存在動詞
    」形式が見られる。鹿児島方言とロシア語の対訳資料であるという資料の性質を踏まえた上で,「テアル」「テオル」の表す意味を,ゴンザが関わった日本語訳とロシア語文の両面から検討した。その結果,「テアル」は「主語が動作を受けて存在する」ことを表す形式であり,一方の「テオル」は既然態に類する「状態」を表す形式であることを述べた。また,「テオル」は,主語の有生/無生を問わず使用されていることを指摘し,この振る舞いは現代の西部日本方言の
    存在動詞
    の体系に通じるものであることについて言及した。
  • 畠山 真一
    尚絅大学研究紀要 A.人文・社会科学編
    2017年 2017 巻 49 号 29-42
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/11/13
    ジャーナル フリー
    本論文は,現代日本語の
    存在動詞
    イルの成立史とシテイル形式の文法化が緊密に関連していることを明らかにする。現代日本語のイルは,典型的な状態動詞の一つであるが,イルの語源を形成するヰルは,状態動詞ではなくむしろ起立状態から着座状態への態勢変化を意味する主体変化動詞であったと考えられており,イルは,主体変化動詞ヰルではなく,むしろヰルの主体変化結果状態を表現するヰタリから発達してきたと推定されている(金水,2006)。本論文で検討した歴史的なデータは,ヰタリから
    存在動詞
    イルへと至る意味変化とテイルの文法化が相互に関連していることを示している。すなわち,近世におけるアスペクト形式としてのシテイル形の確立には,
    存在動詞
    イルの成立が反映されていると考えられる。このような議論にもとづき,本論文は,シテイル形が,イルの意味的漂白化(semantic bleaching)に加え,テ形節とイルを述語とする主節からなる複文構造(biclausal structure)が単文化することによって確立すると主張する。
  • 王 軼謳, 池田 尚志
    自然言語処理
    2007年 14 巻 5 号 65-105
    発行日: 2007/10/10
    公開日: 2011/03/01
    ジャーナル フリー
    存在文はいかなる言語にも存在し, 人間のもっとも原始的な思考の言語表現の一つであって, それぞれの言語で特徴があり言語により異なりが現れてくる.存在表現の意味上と構文上の多様さのために, 更に中国語との対応関係の複雑さのために, 日中機械翻訳において, 曖昧さを引き起こしやすい.現在の日中市販翻訳ソフトでは, 存在表現に起因する誤訳 (訳語選択, 語順) が多く見られる.本論文では, 日中両言語の存在表現における異同について考察し, 日中機械翻訳のために, 日本語文の構文特徴, 対応名詞の属性, 中国語文の構文構造などを利用して
    存在動詞
    の翻訳規則をまとめ, 存在表現の翻訳方法について提案した.これらの翻訳規則を我々の研究室で開発している日中機械翻訳システムJaw/Chineseに組み込んで, 翻訳実験を行った.更に手作業による翻訳実験も加えて, この規則を検証し, 良好な評価を得た.
  • 安 平鎬, 福嶋 健伸
    日本語の研究
    2005年 1 巻 3 号 139-154
    発行日: 2005/07/01
    公開日: 2017/07/28
    ジャーナル フリー
    本稿は,中世末期日本語と現代韓国語に共通して見られる,「過去を表す形式と動詞基本形(及び動詞基本形に相当する形式)が現在の状態を表す」という現象について,存在型アスペクト形式(〜テイル・〜テアル/-ko iss ta・-e(a)iss-ta)の文法化の度合いという観点から論じた。結論は以下の通りである。(1)両言語の存在型アスペクト形式は
    存在動詞
    (イル・アル/iss-ta)の意味が比較的強く影響しており文法化の度合いが低いので,いわば存在型アスペクト形式の不十分な点を補うようなかたちで,過去を表す形式と動詞基本形(及びそれに相当する形式)が,前の時代に引き続き現在の状態を表していると考えられる。(2)上記(1)の点において,両言語の状況は,アスペクトを表す形式からテンスを表す形式へ,という流れの中で互いに似た段階にあると考えられ,また,「存在」という意味を中心としてアスペクト形式が拡張を見せる,存在型アスペクト形式の文法化の一つのあり方として解釈できる。
  • 中井 精一
    社会言語科学
    2002年 5 巻 1 号 42-55
    発行日: 2002/10/31
    公開日: 2017/04/29
    ジャーナル フリー
    畿内型待遇表現法には,これまでの研究から,話題とする第三者の社会的上下に対応して「ハル系(上)→アル系→オル系(下)」を用いるという運用ルールが存在することがわかっている.本論では,そういった運用のルールに加えて,これらの形式の使用に際しては,話題の第三者に対する話し手の認識や評価,感情などが関与していることを明らかにした.とともに,この運用ルールは,人間のみならず,雨などの非情物にも適用されることにも言及した.筆者は,畿内という限定された地域で運用される待遇表現法の考察に際しては,東日本方言型の待遇表現観とは別に,考察の基準を立てる必要があると考える.本論では西日本の中でも特に畿内に認められる特質は,近世以降の資本主義経済発達の中で,上下軸を形成する身分制度と並行して,経済力の多寡がものをいった都市社会を背景として生まれ,歴史的に畿内先進地域と呼びならわされてきた都市と都市周辺地域で認められる,都市言語の特徴であることを示唆するものである.
  • 高田 祥司
    日本語の研究
    2008年 4 巻 4 号 32-47
    発行日: 2008/10/01
    公開日: 2017/07/28
    ジャーナル フリー
    日本語東北方言と韓国語には,過去形として,「〜タ」/-ess-ta(過去形1)の他に,「〜タッタ」/-essess-ta(過去形2)という形式が存在する。後者は前者と異なり,(1)現在との断絶性,(2)直接体験・認識の解釈,(3)トキ節/ttay節で<限界達成後>を表さない,(4)反事実条件文への使用という特徴を持つ。これは,<過去>の<継続性>を表す「〜テアッタ」/-e iss-ess-taを出自とし,その文脈的意味を受け継ぐためだと説明される。-essess-taは,より原形に近い古い用法を保ち,<継続性>やその派生的意味<過去パーフェクト><発見>を表し,
    存在動詞
    への使用は難しい。一方,「〜タッタ」は形容詞・名詞述語に用いにくい。また,両言語の回想表現「ケ」/-te-も(1),(2)を持つが,話し手の行為の体験は表さず,過去形2とは逆に(2)(認識)に基づき,文脈的に<過去>や<継続性>を表す。両言語では,過去形1が現在の状態を表すことと関わり,(1)を持つ過去形2や回想表現が<過去>を現在から明確に区別している。
  • 小西 いずみ, 井上 優
    日本語の研究
    2013年 9 巻 3 号 33-47
    発行日: 2013/07/01
    公開日: 2017/07/28
    ジャーナル フリー
    富山県呉西地方には動詞尊敬形「〜テヤ」があり,南部の井波では継続相,北部の高岡では非継続相を表す。いわゆる「テ敬語」にあたる形とされてきたものだが,両方言とも基本終止形〜テヤが連体形・疑問形にもなり,このヤをコピュラとはみなせない。井波方言では,否定形が「〜テ(ン)+補助形容詞ナイ」であること,アクセントが「〜テ+補助用言」に準じることから,「〜テ+助動詞ヤ(コピュラとは別語)」と分析でき,高岡方言では,否定形が〜ンデヤとなること,アクセントが中止テ形やタ形に準じることから,テヤを一つの接尾辞だとみなせる。井波より南の五箇山には「〜テ+
    存在動詞
    アル」に由来する継続相尊敬形「〜テヤル」があり,井波のテヤはその変化形,高岡のテヤはさらにそれが変化したものと推測される。こうした呉西地方のテヤ形の成立・変化は,上方語や他の西日本方言の「テ敬語」の成立についても再考の余地があることを示唆する。
  • 八亀 裕美, 佐藤 里美, 工藤 真由美
    日本語の研究
    2005年 1 巻 1 号 51-64
    発行日: 2005/01/01
    公開日: 2017/07/28
    ジャーナル フリー
    東北諸方言のアスペクト・テンスについては,少しずつ体系的な記述が進んできている。しかし,東北諸方言の精密な記述のためには,(1)アスペクト・テンス・ムード体系というムード面もとらえた枠組み,(2)動詞述語だけではなく,形容詞述語・名詞述語まで包括的にとらえる視点,の2点が不可欠であるように思われる。本稿は,宮城県登米郡中田町の方言(以下,中田方言と呼ぶ)について,この2点をふまえた記述を行った。その結果,この方言には次のような特徴があることがわかった。(1)東北諸方言に広く見られるいわゆる「過去の〜ケ」を持たない,(2)すべての述語にパラダイム上一貫して2つの過去形が見られる,(3)その各形式に意味・機能上の一貫性が認められる。特に注目されるのは,「体験的過去」と呼ぶことができる過去形がすべての述語に見られることである。また,中田方言の具体的記述を通して,方言研究における述語の文法的カテゴリーの総合的記述の方法論を提示した。
  • 野村 剛史
    日本語の研究
    2007年 3 巻 3 号 52-58
    発行日: 2007/07/01
    公開日: 2017/07/28
    ジャーナル フリー
  • ――カム及びアムド地域の5言語の事例から――
    鈴木 博之, 四郎翁姆, 才譲三周
    言語研究
    2021年 159 巻 69-101
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/03/30
    ジャーナル フリー

    チベット系諸言語は複雑な証拠性・認識性の標示体系をもつ言語群として知られている。これまで多くの先行研究がさまざまなチベット系諸言語の証拠性の記述を行ってきたが,用語と枠組みが先行研究によって多岐にわたるため,これらの言語の証拠性に関する対照研究は困難であった。本稿では,研究蓄積のあるラサチベット語の証拠性の体系を1つの基準として,共通の調査票を用いて5種類のチベット系諸言語の判断動詞と

    存在動詞
    に関する「アクセス系」に属する証拠性の体系を記述し,各形式の形態を分析する。次いで,言語間に認められる異同を議論する。結論として,本稿で取り上げたカム及びアムド地域のチベット系諸言語は,判断動詞と
    存在動詞
    を統一的な証拠性の枠組みのもとに記述することが可能であり,その中で細部に異なりが認められるものの,本質的な体系を共有していることを示す。

  • その概念領域をめぐって
    益岡 隆志
    言語研究
    1984年 1984 巻 86 号 122-138
    発行日: 1984/12/01
    公開日: 2010/11/26
    ジャーナル フリー
    The-te aru construction has been analyzed to date as the expression of the ‘resultative aspect, ’ the description of a state resulting from some previous volitional action_However, it still remains to be seen (i) what is the whole picture of a wide variety of meanings carried by that con construction, which is here referred to as the ‘conceptual domain’ of the construction, and (ii) whether that domain is rationally structured. The purpose of the present paper, then, is to provide a satisfactory answer to these problems.
    With this goal in view, the -te aru constructions will first be classified into two types from the syntactic viewpoint, namely, the ‘Atypetype’ and ‘B type’ constructions. On the basis of this classification the and ‘B type’ constructions. On the basis of this classification the semantic characteristics of the constructions will be elucidated, whereby it will be shown that the conceptual domain is composed of a continuum extending from the domain of a very concrete resultative aspect to that of a highly abstract resultative aspect. Thus, the structure of the domain in question is shown to be adequately rational, having a systematic, internal unity. The fact is noteworthy that a coherent unity is found in the seeming heterogeneity of the meanings conveyed by the -te aru construction, thus indicating that there is a strong form-meaning correlation with this particular construction.
  • 早田 輝洋
    言語研究
    2015年 148 巻 33-60
    発行日: 2015年
    公開日: 2016/05/17
    ジャーナル フリー
    従来の満洲語の文典も辞書も満洲語の形式-ngge, -ingge, ninggeの区別を明確にしていない。これらの形式については名詞と形容詞の別も十分に記述されていない。 本稿では満洲語資料の時代をa)ヌルハチ,ホンタイジの時代(16世紀末~1643),b)順治年間(1644–1661),c)康煕年間(1662–1722)に分けた。a)は殆どすべて無圏点文字による手書き資料,b)c)は主に有圏点文字による木版本資料である。a)にだけ動詞語幹に-nggeの直接続く例が14例もあった。a)時代の資料をもとに仮定した派生規則の例外は,当然b)c)と時代が進むにつれ多くなる。派生形態素ni-nggeの単純形態素ninggeへの変化は顕著な通時変化の例である。 a)b)の満洲語話者は満洲地区で生育し,c)の話者は北京という完全な漢語環境で生育している。康煕帝の時代の満洲語はそれ以前の満洲語と文法的にも顕著に違うことが分った*。
  • 竹内 史郎
    日本語の研究
    2021年 17 巻 3 号 26-33
    発行日: 2021/12/01
    公開日: 2022/06/01
    ジャーナル フリー
  • “升始~”と“~起来”の文法的使い分けと意味的分析を中心に
    朱 継征
    中国語学
    2004年 2004 巻 251 号 114-135
    発行日: 2004/11/06
    公開日: 2010/11/26
    ジャーナル フリー
  • 呉 揚
    日本語の研究
    2015年 11 巻 1 号 1-17
    発行日: 2015/01/01
    公開日: 2017/07/28
    ジャーナル フリー
    空間的配置動詞「そびえる」は、金田一(1950)では終止述語になるとき必ずシテイル形式になるとされる。一方、影山(2012)では「そびえる」にはシテイル形式もスル形式もあるとし、両形式によって事象叙述と属性叙述が区別されると主張する。本稿では、テクストとの相関性を全面的に視野に入れ、「そびえる」のアスペクト・テンス形式のテクストにおける分布の実態を調査し、その意味と機能について考察した。その結果、「そびえる」は、非アクチュアルなテクストに現れ、恒常性を表す客観的用法を基本とするが、出来事の展開のあるアクチュアルなテクストでは、書き手と登場人物の捉え方や他の出来事との時間関係が浮かびあがってきて、主観的な側面とタクシス的機能が前面に出てくることが明らかになった。「そびえる」に限らず、空間的配置動詞のアスペクト・テンス形式を分析する際には、テクストとの相互作用を考慮しなければならない。
  • 狩俣 繁久
    日本語の研究
    2019年 15 巻 3 号 26-33
    発行日: 2019/12/01
    公開日: 2020/06/01
    ジャーナル フリー
  • 三宅 俊浩
    日本語の研究
    2019年 15 巻 3 号 1-17
    発行日: 2019/12/01
    公開日: 2020/06/01
    ジャーナル フリー

    本稿は近世尾張方言におけるラ抜き言葉の成立過程について論じる。尾張方言では,中央語(上方・江戸)に約100年先駆けて19世紀初頭にはラ抜き言葉が用いられるが,初期は2拍動詞にのみ起こる現象であった。その成立は,尾張ではラ行五段動詞の可能動詞形(ex. おれる)と尊敬レル形(ex. おられる)の意味対立をラ音の有無によるとみなす異分析が生じ,この異分析が[語幹‐接辞]の分析が困難な2拍一段動詞に過剰適用されたことによると推定した。この「異分析の過剰適用」を促した主要因はレル・ラレル敬語法と,可能動詞として頻用されるラ行五段動詞オルであると考えられる。この仮説によれば,同条件を備えていない中央語ではラ抜き現象が生じず,同条件を満たす中国地方にラ抜き言葉が多いこととも整合する。

  • 畠山 真一
    尚絅大学研究紀要 A.人文・社会科学編
    2021年 53 巻 55-72
    発行日: 2021年
    公開日: 2022/03/09
    ジャーナル フリー
    上代語のリ形が見せる多義性は,現在までさまざまな視点から分析が進められてきている。本論文は,動詞のリ形は「強い均質性」をもった局面を記述するという能力を持っていることを述べ,この能力こそが多義性を生み出していると主張する。さらに,本論文は,「均質性」に「強い均質性」と「弱い均質性」の2 種類があることを提案し,この区別が上代語の リ形と現代日本語のシテイル形の違いを分析するとき有用であることを明らかにする。
  • 早田 清冷
    言語研究
    2015年 147 巻 7-30
    発行日: 2015年
    公開日: 2022/03/08
    ジャーナル フリー

    本研究は満洲語の「同格の属格」と言われる現象の分析である。満洲語は日本語とは異なり,「女である私達」を表す際に,men-i(私達の)hehe niyalma(女)のような第一名詞句が定であり属格形で現れる表現が可能である。本稿ではこの第一名詞句が従属節の属格主語であると主張する。コーパス中のコピュラ連体形の用法を分析する事により,1「コピュラに関する従来の記述に反してコピュラの未完了連体形がゼロ(音形なし)になり得る(むしろ通常はゼロである可能性が高い)」事を示す。また2「このゼロコピュラの主語もそれ以外の動詞の主語同様に属格主語になり得る」事も指摘する。この1,2により,満洲語の「第一名詞句が属格形になる同一指示の名詞連続」NP1i -i+NP2i(NP: 名詞句,-i: 属格標識,i: 同一指示)を名詞句「NP1に属するNP2」ではなく基底でコピュラ終わりである従属節「NP1がNP2である(の)」と考えることが出来る。

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