本稿の目的は,「社会科教材
映画
体系」の分析を通じて,初期社会科の教材としての教材
映画
の特色を明らかにすることである。初期社会科の教材は,単元学習のための問題群や資料,学習の仕方を提示するものであり,新教育の考えを背景にして
映画
も教材の一つとされた。社会科の教材
映画
に関する議論は1949年を機に盛んになり,4年間で39本の教材
映画
が「社会科教材
映画
体系」として製作された。結論として,教材
映画
の特色を以下の3点に整理することができる。(1)1948年発行『補説』の作業単元を基に題材を選定し,社会機能ごとに
映画
が製作された。(2)
映画
の各作品には,「
映画
のねらい」「学習展開例」「
映画
シナリオ」等を掲載した「指導書」がつけられ,授業をする際に教師がそれを用いるようにした。(3)授業実践において,
映画
には学習内容に必要な情報を与えるものと,児童の自主的な活動の様子を
映画
の中で直接経験させるものの2種類があった。特に後者は子どもの民主的な活動が描かれており,民主主義的な活動を広める意味もあった。
抄録全体を表示