ヒト, ウサギ, ウシの歯髄についてポリアクリルアミドゲル電気泳動法によリコリンエステラーゼの多様性 (イソ酵素) を検討した。泳動条件は2.5mA/gelで, 4℃, 90分間の泳動, 酵素活性検出法はチオコリン法 (Karnovsky-Roots法) が最適で, 泳動後ゲルをCa-ホルマリン水で固定することが必要であることがわかった。
各試料をつうじて最高3つのバンドがあらわれ, 原点から順にE
1, E
2, E
3とすると, E
1はヒト以外ではアセチルチオコリンとブチリルチオコリンの両基質により活性を示し, E
2はウサギ以外のものでは両基質で活性を示す。E
3は各動物ともにアセチルチオコリンのみを分解する。これらのバンドはいずれもエゼリン, DFPによって活性が阻害されることから, いずれもコリンエステラーゼのイソ酵素と思われる。
抄録全体を表示