不法投棄現場等では堆積廃棄物が急勾配で盛り立てられており,これら廃棄物の安定性評価は土砂と同じような基準で検討している。ここでは,簡易な法面安定性評価の手法として,
安息角
試験を用いる方法を実施した。
国内外九箇所の不法投棄現場等で実施した結果,廃棄物で1.0~1.5m程度の山を作ることにより安定的な勾配を示す限界
安息角
を得ることができた。この値は、現場の安定している斜面勾配とほぼ同様であり,更に同時に実施した現場一面せん断試験による摩擦抵抗角(φ)とほぼ一致していることから,
安息角
試験で現場の斜面安定勾配を知り,廃棄物のφを簡易的に知ることができることが理解された。
また、
安息角
の決定要素として,廃棄物組成の相違が大きく関与していることがわかった。廃棄物層ではがら等の大型物による噛み合わせ効果と,繊維状物,シート状物による粘着抵抗(引張抵抗)が
安息角
を大きくする要素と考えられることがわかった。
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