判別分析の目的は,k個の特性値をもつ2つ以上の設定された群のk次元
実数空間
における分離度を,何らかの方法により適確に把握することである.この目的のために,従来の方法では本質的に1次元実数軸上の値をとる判別関数が用いられている([1],[3],[4],[5],[6]など).しかしたとえば,第2節【例1】に示すようなデータにおいてはこの方法による判別は困難となるため,この例を含む実際の多くの判別問題に対して,従来の方法に比べて判別度合のよい方法を考えることは重要な課題である.
そこで本論文では,k次元
実数空間
の点を適切な変換により2次元平面上にプロットし,各群がもっともよく判別できるようにk個の特性値に乱数を用いて重みづけする方法を提案する.ただし判別は,プロットされた図式パターンの視覚処理によりおこなう.
この手法の本質は,判別の基準を2次元平面の図式パターンとした点にあり,従来の判別方法に比べてより多くの情報が得られ,したがって判別能力も向上する.
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