香川県では自由闊達に議論できる雰囲気があり,市中病院に居ながらアカデミズムを忘れることなく地域医療を支えることができた.当初は全人的医療ができる裾野の広い呼吸器内科医師をめざした.2001年病棟新築時にRespiratory Support Team(RST)のチーム医療を掲げ,小さくても輝くオンリーワンの病院を目指した.中小規模病院では人的資源や医療設備に制約があり,吸入支援や呼吸リハビリテーション(呼吸リハ)等,職種横断的なチーム医療の成否が鍵となる.当時,RSTは全国に先駆けた先進的な取り組みであった.当院のRSTにおける最もユニークな点は,リーダーはあくまでメディカルスタッフであり,医師はアドバイザーとして後方支援に徹したことである.RST活動を深化させる過程で多職種連携の重要性を認識し,また多くの教訓を学んだ.これらを病院機能と結びつけた発展段階として時間軸で報告した.今後は,医師の働き方改革を先取りしたタスクシフト活動の受け皿として期待している.
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