1) 昭和34年8月, 徳島市新町川の底質ならびに底生生物について調査を実施した。
2) 河口付近および隣接吉野川との接続地点の付近を除いて, 泥質は総じて, 微粒の黒色腐敗泥であり, それが約50cm堆積している。
3) 底質の化学性状についてみると, C. O. D, 硫化物が非常に多く, それは (1) 繊維物質 (木皮), (2) 澱粉廃水をはじめとする各種工場廃水, (3) 都市下水ならびに厨芥投棄物, などの沈降堆積に起因するところが大きいと思われる。
4) 底生生物は河口付近には認められたが, その他の地域には全く認められなかった。
5) 底質から見た汚染の程度は, 都市河川としての汚染傾向を強く示し, 大阪の安治川の底質とほぼ類似している。
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