14C-sucroseからデキストラン発酵により
14C-dextranを生合成し酵素分解して
14C-isoma1-toseを得た。
(1) 0.5mc
14C-sucrose (generally labelled form) を含む培養液を作り (sucrose 479.155 mg, 比放射能1.044μc/mg・sucrose) Leuconostoc mesenteroides NRRL B-512を使用して25℃, 2日間デキストラン発酵を行って
14C-dextra11を得た。収量は126.45mgで対sucrose収率26.3%であった。
(2)
14C-dextranはPenicillium funicul-osurn IAMS-3-2の生産するdextranaseで分解された。すなわち
14C-dextran126.45mgにさらにcarrierとしてdextran 94mgを加え, 0.15M酢酸緩衝液10mlに溶解し, 酵素液5mlを加えて40℃, 6時間分解した。分解率は87%で反応終了液中には
14C-glucose,
14C-isomaltose,
14C-isomaltotrioseと考えられる糖, そのほか3種ほどの
14C-寡糖類が含まれていた。
(3) カーボンクロマトグラフィで酵素分解液の分別を行った結果25.2mgの
14C-glucose, 112.8mgの
14C-isomaltose, 14.5mgの
14C-isomaltotrioseと考えられる糖, 51.8mgの
14C-寡糖類混合物が得られた。対dextran収率はそれぞれ11.4%, 51%, 6.6%, 23%であった。
14C-glucose,
14C-isomaltose,
14C-isomalto-trioseと考えられる糖のぺーパークロマトグラムおよびそのオートラジオグラフを作成してみたが, いずれもほかの糖を含んでいなかった。
14C-isomaltoseはさらにイオン交換樹脂で処理したのち減圧濃縮し溶液状態で得られた。その比放射能は0.6μc/mg・isomaltoseであった。
終りにご教示を賜わった東大
小林恒夫
氏, 東北大柴崎一雄助教授, 名糖産業株式会社篠田晃氏, 菌株を分与せられた東大応微研飯塚広助教授のご好意に厚く感謝致します。
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