Cefuroxime axetil (CXM-AX, SN 407) をラットおよびイヌに20mg/kg経口投与し, Cefuroxime (CXM) の吸収分布, 代謝および排泄について検討し, 以下の結果を得た。
1. CXM-AXを経口投与した時の最高血中濃度はラットでは30分後に5.52μg/ml, イヌでは1時間後に10.09μg/mlに達し, 血中消失半減期はそれぞれ70.2分, 73.8分であった。
2.ラットにおける最高血中濃度を他剤と比較検討した結果Cephalexin (CEX), Cefaclor (CCL) と同等であったがCefatrizine (CFT) よりは低かった。またイヌにおいてはCEXの約半分であった。
3. 臓器内分布は腎臓において最も高く, 次いで肝臓であった。肺臓心臓および脾臓への移行は低かった。
4. 0~24時間の尿中排泄率はラットで30.3%, イヌで29.4%で大部分が6時間以内に排泄された。また, ラットの胆汁中排泄率は0~24時間で1.60%であった。
5. ラットに21日間連続投与した結果, 血中および臓器内濃度尿中排泄率とも初回投与時と差がなく蓄積性は認められなかった。
6. 雌雄ラットにCXM-AXを投与した結果, 最高血中濃度, 血中半減期, AUCおよび尿中排泄率ともほぼ一致し, 性差は認められなかった。
7. 絶食および非絶食のラットにCXM-AXを投与した結果, 最高血中濃度血中半減期, AUCおよび尿中排泄率ともほぼ一致し, 食餌による体内動態への影響は認められなかった。
8. 活性代謝物をバイオオートグラフィーで検索した結果血清あるいは血漿および尿中にはCXM以外認められなかった。
9. CXMの血清タンパク結合率は
in vitroにおいてはマウス, ラット, ウサギ, イヌおよびヒトでそれぞれ17.1, 37.1, 42.9, 19.6および35.0%で, また, CXM-AX投与後のラット血清を用いた
in vivoタンパク結合率は31.9~40.4%を示し,
in vitroの結果と一致した。
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