過去16.5年間に初回手術を施行した腫瘍径1.0cm以下の微
小甲
状腺乳頭癌50例,すなわち単発腫瘍例37例,多発例13例,腫瘍数75個を検討した.年齢は26~74歳,平均49.8歳で,性別は男性1名,女性49名であった.
病理組織型は被膜の有無,間質の量により,非被包型非硬化癌(12個),非被包性硬化癌(24個),被包性非硬化癌(8個),被包性硬化癌(7個)およびそれ以外の通常型(24個)の5型に分類できた.腫瘍径は0.1~1.0cm,平均0.67±0.26cmで,非被包性非硬化癌,非被包性硬化癌,被包性非硬化癌が被包性硬化癌,通常型より有意に腫瘍径が小さかった.
石灰化は36.0% (27/75)にみられた.組織型では,石灰化は非被包性硬化癌37.5%,被包性硬化癌85.7%,通常型50.0%にみられた.
癌周囲の甲状腺組織に見られた合併病変は54.0% (27/50)にみられ,腺腫様甲状腺腫が最も多かった.リンパ節転移は63.3% (31/49)にみられた.
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