1) Cefaclor (以下, CCL) 1日750mg3分服とCephalexin (以下, CEX) 1日1g 4分服の臨床効果を二重盲検試験により比較検討した。対象疾患は, 癌, 癖, 瘍腫症, 毛包炎 (ニキビを除く), 蜂窩織炎, リンパ管炎に限った。
2) 経過観察は, 原則として3日, 5日, 7日に行ない, 主治医による効果判定, 有用性判定と疼痛, 発赤, 浮腫範囲を点数化し, その推移による薬効評価判定麓準判定とを行なった。
3) 臨床的検討の対象となった症例は148例 (CCL 75例, CEX 73例), 除外例はCCL 4例, CEX 5例, 脱落例CCL 6例, CEX 5例であった。臨床効果判定対象となったものはCCL 65例, CEX 63例, 副作用検討の対象となったものCCL 70例, CEX 69例であった。
4) 主治医による総合判定: CCL著明改善35/65 (53.8%), 著明改善~改善54/65 (83.1%), CEX著明改善31/63 (49.2%), 著明改
5) 有用性の比較も有意差がなかった。
6) 薬効評価判定基準による総合判定: CCL著効38/65 (58.5%), 著効~有効55/65 (84.6%), CEX著効34/63 (54.0%), 著効-有効54/63 (85.7%) で, 両薬剤間に有意差がなかった。
7) 自覚的副作用の比較: CCL 8/70 (11.4%), CEX 3/69 (4.3%) の出現率で, その内容はほとんど消化器症状であった。
8) 全体として, CCL 250mg 1日3回内服とCEX 250mg 1日4回内服は, 急性皮膚感染症に対し, 同等の効果, 有用性をもつと判定された。
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