第3報で電着塗料あるいは電着塗膜中の微量の亜鉛が原子吸収分光光度法によって定量的に分析できることを報告した。本実験では前報で報告した方法を応用して実際に亜鉛を含む電着塗料を電着塗装し, 塗膜中の亜鉛を定量し, 塗料液中の亜鉛濃度と電着塗膜中の亜鉛濃度との関係を明らかにした。電着塗料としてアクリル系エマルション型電着塗料とアルキド系水溶性型電着塗料のクリヤーを用いた。
電着塗膜中の亜鉛含有量は塗料液中の亜鉛濃度が増加するに従って直線的に増加し, 単位固型分に対する塗料中の亜鉛量と塗膜中の亜鉛量との比は, エマルション型塗料, 水溶性型塗料両者ともほぼ一であることを知った。
さらに亜鉛イオンの除去方法についても検討し, 亜鉛イオンが陽イオン交換によって除去でき, 陽イオン交換樹脂の量を十分大きくすることにより完全に取り除くことができるこをと確認した。
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