本研究の目的は,EPAで来日した外国人看護師の看護技術の実践状況を,母国および新卒日本人看護師の実践状況と比較することである.対象は全国48施設に勤務する,第99~101回看護師国家試験に合格した外国人看護師65人であった.調査内容は,生活援助および診療の補助技術から成る『看護基本技術』に関する39項目について,郵送による無記名の自記式質問紙調査を行った.調査結果は有効回答率75.6%であり,回答者の国籍はフィリピン9人 (29.0%),インドネシア22人 (71.0%) であった.外国人看護師の半数以上がひとりで行う看護技術は,生活援助を中心に39項目中25項目であった.外国人看護師は母国では生活援助も診療の補助技術も含め,ほとんどの技術をひとりで実践していたが,日本では生活援助および診療の補助技術ともに新卒日本人看護師よりも実践が少ないことが明らかとなった.
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