参議院選挙は,戦後日本政治の変動に,何度も重要な役割を果たしてきた。しかし,従来の日本政治研究,特に選挙過程の分析は,そのほとんどが衆議院を対象にしたものであり,日本政治の理解もこの範囲を出なかった。参議院選挙データはほとんど分析されず,参院選が日本政治に与えた影響は解明されてこなかったのである。その状況をもたらした原因の一つは,参院選データが十分に整備されていないことである。そこで我々は,参院選の市区町村別データを収集し,データベースを開発した。参院選研究を活性化させ,日本政治に対する参院選の意義や,二院制の意義そのものの再検討を促したり,選挙研究の理論モデルを発展させたりすることが狙いである。本論文は,その参院選データベースの内容と利用方法を説明するものである。
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