ポリスチレン容器から, 乳製品中に溶出したスチレンモノマーの微量定量法を確立するとともに, この方法を応用して, スチレンモノマーの溶出性を調べた. 乳製品中に溶出したスチレンモノマーは, 減圧水蒸気蒸留法により, ドライアイス・メタノール冷却トラップに捕集し, 濃縮後, ガスクロマトグラフィーを用いて定量した. 本法による回収率は, 0.01~0.20ppmの濃度間で, 88~95%, その検出限界は, 0.002ppmであった. 本法を用いて, スチレンモノマー 5,020ppm含有容器で, 乳製品への溶出性を調べた結果, 溶出量は, 保存温度, 保存日数に比例して増加した. また, 市販乳製品からは, 限度以下で検出されなかった.
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