我々が行ってきた研究では, 自動車など
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における曲線の性質は, ある程度明らかにすることができた。しかし, 貝や植物といった自然造形物における曲線については未知のままである。これが
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の曲線とどのように違いがあるのかはまったく明らかにできていない。既存の研究においても, 様々な自然造形物における曲線を大局的に, かつ曲率変化レベルで精度よく分析した研究はほとんどない。そこで, 筆者らは, 自然造形物と工芸品における曲線を広く採取するとともに, それらを分析し, どのような性質であるのかを明らかにすることを目的とした。また, 自動車を中心とした
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における曲線の性質と比較し, どのような特徴があるのかを明らかにした。その結果, 自然造形物と工芸品における曲線は, 筆者らが体系化した曲線群の中の「発散型」と「定速型」が大半であった。
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における曲線に用いられていた「収束型」はほとんど存在しなかった。
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