【目的】本研究は、ウォーキングとエアロバイクを使用した有酸素性運動トレーニングの強度と時間の違いが中高齢者の動脈スティフネスに及ぼす影響について検討することを目的とした。【方法】中高齢者42人 (65±2歳) を対象に、1回の運動を①15分・低強度[30%予備心拍数 (HRR) ]群9名、②15分・中強度 (60%HRR) 群8名、③30分・低強度 (30%HRR) 群9名、④30分・中強度 (60%HRR) 群9名、⑤非トレーニング群(コントロール)7名とランダムに5群に分けて、有酸素性運動トレーニングを週3日、8週にわたり実施した。介入前後に動脈スティフネスの指標である上腕-足首間脈波伝播速度(baPWV)、心臓足首血管指数(CAVI)、動脈圧容積指標(API)および動脈速度脈波指数(AVI)を評価した。【結果】baPWV、CAVI、APIおよびAVIは、有酸素性運動トレーニング前と比較してトレーニング後に低下したが (P<0.05)、群間差は認められなかった。【結論】中高齢者の動脈スティフネスを短期間の有酸素性運動トレーニングで低下させるには運動強度や時間に問わず、定期的に実施することが重要である可能性が示唆された。
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