青森, 東京, 山梨, 宮崎の4地域, 12か所の保育所, 幼稚園, 小学校の2~11歳の小児349名を対象に局所寒冷血管反応テストを試行し, 年齢差を中心に検討した結果, 以下に示す知見が得られた。
1) 2~11歳児における寒冷血管反応には年齢差が存在し, 加齢とともに反応は減弱化する傾向が認められた。
2) 地域差, 性差, 学校の
建築様式
差の寒冷血管反応への寄与度は極めて小さい。
3) 小児における寒冷血管反応の加齢にともなう減弱化傾向は, 血管反応の拡張・収縮を支配する自律神経の緊張状態が加齢とともに副交感神経優位状態から交感神経優位状態に移行するという事実と一致する。
4) 小児にける寒冷血管反応は, 寒さに対する慣れという視点で局所性耐寒性を評価する指標としてのみ用いるのは不適切で, 自律神経系の発達指標としての役割が同時に介在していることを今回の一連の研究結果から見い出されるに至った。さらに詳細な検討は今後の課題としたい。
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